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究極の食中酒を造る「新澤醸造店」

究極の食中酒を造る
「新澤醸造店」

DATA
株式会社新澤醸造店
宮城県大崎市三本木北町63

土井晩翠が愛した酒

「荒城の月」 の作詞をしたことで有名な詩人土井晩翠氏が 「館山の頂開く酒むしろ愛宕の松の薫いみじく」 と詩に読み愛してやまなかった酒がある。その酒を作っているのが、1873年に創業した新澤醸造店だ。
土井晩翠が歌った 「愛宕の松」 というのが、新澤醸造店のお酒の名前。淡麗辛口で、スッキリとした味わいがある。そのなかに、米本来のふくらみのあるうまみが広がり、絶妙な舌触りだ。
それともうひとつ、主力の一翼を担うのが 「伯楽星 (はくらくせい)」 というお酒。こちらは穏やかな香りを放つ酒だ。インパクトよりも、ゆったりとした楽しみを味あわせてくれるお酒だ。試飲の際に中田が新澤醸造店の目指す酒はどんな酒かと聞くと、新澤巌夫さんは 「究極の食中酒を目指しています」 と答えてくれた。

目指すは究極の食中酒

「例えば、オレンジジュースがすごく好きな人がいるとしますよね。ジュースと烏龍茶があったら、ジュースに手を伸ばす人。でも、そういう人でもやっぱり食事中は烏龍茶を飲む。私たちのお酒はその烏龍茶でありたいと思うんです。しかもおかわりされる烏龍茶。食事がどんどん進んで、それとともにお酒もおかわりされる。そういうお酒を目指しています」

そう新澤さんが言うとおり、伯楽星の酒質で特徴的なのは、糖分が低く設定されていること。食事をしているとき、お腹が膨れてくると、糖分をおいしく感じなくなる。だから糖分の高いお酒は、食事のあいだずっと飲んでいるわけにはいかない。
でもこのお酒は、ほんのりとした甘さを感じるだけで、すっと消えていくキレがあるので、いつまでだって飲んでいられる。一部の酒好きの間で 「伯楽星の楽しみは、究極の三杯目にある」 と言われるゆえんだ。

古いものと新しいものと

新澤醸造店も東日本大震災の被害を受けた。もともと蔵は本社とともに県北の大崎市三本木というところにあった。しかし全壊の判定を受けた蔵を取り壊し、山形県との県境に位置する川崎町に蔵を移ることになった。新しい蔵に移り、数ヶ月。とまどいもあったという。
「実は機械という意味で、ハード面の性能がぐんとあがったことにとまどいがあったんです。これまではソフト重視でものを考えていたので」
現在の蔵は、面積が広く平らで運搬にフォークリフトを使うことができるようになった。それにも驚きがあったというのだ。
「それで労働力が短縮された。すると技術のことを考える時間が増えたんです。震災で蔵をなくして古いものがなくなってしまったと嘆くのではなく、昔の蔵でやっていた、手作りのいい部分と問題だった部分を改善した蔵を目指したいと思っています」

どんどん、挑戦する

蔵の中を案内していただいて驚いたのは、酒造りにかける新澤さんの発想力だ。いまや、全国的にも人気のある 「伯楽星」 の他に、「リキュール酒にはパンチが欲しかった」 といって造った 「超濃厚ジャージーヨーグルト酒」、精米歩合9%という 「残響 Super9」 など、数々のヒット商品を生み出している。
「ジャージーヨーグルトは、濃厚すぎてタンクに送るパイプを流れてくれなかったんです。それで、実は…」 と、一つの課題に対しての対応策が、次から次へと語られた。ひとつ課題を改善し、また新たな課題へ目を向ける。そして、新しい挑戦も続ける。こうして、これから造り出される酒が今から楽しみだ。

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