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大きく曲がった甘いねぎ「曲がりねぎ生産者 佐藤俊郎」

大きく曲がった甘いねぎ
「曲がりねぎ生産者 佐藤俊郎」

DATA
曲がりねぎ生産者 佐藤俊郎
宮城県仙台市宮城野区

仙台名産の曲がりねぎ

仙台といえば、知っての通り宮城県の県庁所在地。つまり都会。だから野菜の生産が盛んというと不思議かもしれない。ところが、仙台市の野菜産出額は約30億円。この額は亘理郡に続いて、県内第2位の数字なのだ。(宮城県HP参照)
仙台の名産はいろいろあるが、なかでも有名なのが「曲がりねぎ」。ねぎといえば一般的には「一本ねぎ」と呼ばれるまっすぐに伸びたものを想像するだろうが、曲がりねぎはその名の通り根元の部分から大きく曲がっている。
「何で?」と思わず首をかしげてしまう。太いねぎ、細いねぎというのは見たことがあるけれども、曲がったねぎというのは珍しい。この曲がった姿には、先人の知恵がぎゅっと凝縮されているのだそうだ。その秘密を教えてくれたのが、仙台市岩切で曲がりねぎの生産をしている佐藤俊郎さんだ。

曲がりねぎは「曲げて」作る

ねぎを知らない人はいないだろう。根元が白く、先端にいくと緑の葉が広がる。当然ねぎは白い部分がおいしい。実は、ねぎの白い部分は土の中にしかできないのだ。だから、地中深く根を張らせることができれば、ねぎのいちばんおいしい部分が多くなる。
しかし、この一帯は地下水位が高いために、それほど地中深くまでねぎができない。つまり白い部分が少なくなってしまうというわけ。 「だから昔の人は成長したねぎを一度抜いて、寝かせたんですね」 と佐藤さんは言う。ある程度育ったねぎを抜いて、土に寝かせて熟成させたのだ。そうしておいしい部分をより多く作り出したのが、曲がりねぎの始まりだという。
佐藤さんも同じ方法で栽培をしている。ハウスで育苗をし、約20センチに育ったら畑に植えていく。それがまっすぐ伸びて育ったら、一度抜いて、ハウスに寝かせて土をかぶる、「やとい」 という作業を行う。すると、ねぎは太陽に向かって伸びようと成長し、曲がりねぎはできあがるのだ。いくつもの工程を手作業で行わなければならないために、手間は普通のねぎよりもかかる。それでも佐藤さんは曲がりねぎにこだわる。

地元の食べ物を伝えていく

「このねぎは昔、地域交流の中心でもあったんです」 と佐藤さんは話す。栽培、収穫、植え替え、皮むきなどの作業を地域のみんなでやったそうだ。そのようにしてねぎはこの土地の人をつないでいた。佐藤さんは曲がりねぎを単に商品としてだけでなく、地域風土としてとらえている。
そのため、非常勤講師として小学校へ曲がりねぎの先生として登壇し、子どもたちに曲がりねぎを伝えることもしている。この日中田が説明を受けたときも、模型を用意していただいて、すごくわかりやすい説明だった。

ビニールハウスなどひと通り見学をさせていただいてみんなでテーブルを囲んで談笑。そのときに 「それじゃ、どうぞ」 といって差し出されたのが芋煮汁。撮影用のカメラのレンズが白く曇ってしまうほどに、湯気がふわふわとあがる。寒い時期だったので、思わず顔がほころんでしまう。
いただきますとの号令一下、みんなで身体を温める。ねぎの甘さが口に広がるおいしい芋煮汁をいただきながら、話はねぎを通り越して、佐藤さんのお孫さんのお話などに飛んだ。こういうふうにして、交流は深まっていくんだろうなと感じる瞬間だった。

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