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岩手・浄法寺の漆と向き合う「漆掻き職人・塗師 鈴木健司」

岩手・浄法寺の漆と向き合う
「漆掻き職人・塗師 鈴木健司」

DATA
漆掻き職人・塗師 鈴木健司
岩手県二戸市浄法寺町

「うまくなりたければ浄法寺に行け」

漆器というとすぐに思い浮かぶのが輪島塗や会津塗といった「製品」だが、そのもとである漆の国内生産量日本一であるのが岩手県。なかでも二戸市浄法寺(じょうぼうじ)が産地として有名だ。その浄法寺で自ら漆を採取し、漆器を制作している、漆掻き職人兼塗師である鈴木健司さんのもとを訪ねた。

もともとおじいさん、お父さんが漆器の塗師をしていたという家に生まれた鈴木さん。自分も漆の仕事を始めたが、そのときに思ったことが「こだわったものを作りたい」ということだった。
塗りだけを極めるのではなく漆からこだわりたい。そう考えていたところ、福島県会津で師事した師匠に言われた一言が「うまくなりたかったら浄法寺へいけ」というものだったそうだ。そこで、日本うるし技術保存会の伝承者養成の長期研修生となった。それが鈴木さんと浄法寺のつながりの始まりだった。

漆を掻くことで変わったこと

鈴木さんは二戸市が運営する滴生舎という工房で5年ほど働き現在は独立をしたが、制作した漆器はいまでも滴生舎で販売をしている。だが、はじめにも言ったように、鈴木さんは漆の掻き手でもあるのだ。
本来は塗り手と掻き手は別であることが多い。だが、鈴木さんは漆そのものをもっと勉強したいと思って漆掻きも始めたのだという。漆掻きを始めて「漆を大事にするようになった」と鈴木さんはいう。
「漆掻きができるのは6月から10月くらいです。その前の時期に漆の木を探したり、手入れして育てる。半年間は山にこもるようになったんです。その分ものづくりをする時間は半年。ペースは落ちますよね。でも自分で掻くことで、漆を大切にするという感覚が出てきたんです」

漆の木からこだわる

中田も以前、この浄法寺で漆掻きに挑戦したことがあった。そのときのことを思い出して、漆掻きを行う人が違えば漆の量も質も違うことに驚いたと話すと、鈴木さんは「やっぱり難しいですよ」と返す。木によってそれぞれ取れる漆が違うのだという。育て方によっても違う。それを見極めながら一本一本の木と向き合う。そうやって漆の木からこだわることで、製作の嬉しさが倍増するのだという。

浄法寺の漆器は会津塗や輪島塗などと比べると、どちらかというとシンプルなものが多い。「漆の加工技術は向こうの方が上」と鈴木さんはいうが「浄法寺はその分シンプルな塗り重ねが発達した」そうだ。
丁寧に何度も塗りかさねることで、こだわったものが生まれる。それは見た目に派手ではなくても、漆そのものの実直な力がある。漆器を買い求めた人がリピーターになってくれることもあるという。鈴木さん自身が掻いた漆から作り出される漆器。その魅力は、この浄法寺で脈々と培われる「こだわり」の力にあるのかもしれない。

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