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天然染料を追求する「染織家 諏訪好風 諏訪豪一」

天然染料を追求する
「染織家 諏訪好風 諏訪豪一」

DATA
野々花染工房有限会社
山形県米沢市福田町2-3-61
http://www.omn.ne.jp/~nonohana/

自然の色を出す仕事

この日訪れたのは、草木や花などを用いた天然染料で糸を染め、織物を織る染織家の諏訪好風さん。米沢市で染織業を営む家に生まれた諏訪さんは、幼い頃から家業の手伝いをして仕事は自然と身につけていったと話す。
独自の手法を求めて国内の貝による貝紫染を研究・発表し、サフラン染や紫根染など希少な染色技術の研究を重ねてきた。これまでに数々の“色”を生み出してきた作家だ。
現在は山形紅花染織同人協議会の代表として、「山形紅花染」のブランド化も推し進める。山形紅花染の反物を見せていただいたときに、商品に表記されているマークの意味を教えてもらった。赤いラベルは「紅花100%」、ピンクは「紅花染と天然染料」、黄色は「紅花染と化学染料」の3タイプ。品質を保つために国産の正絹を使用し厳しい審査基準を設けているという。

さまざまな織物をつくる工房

工房のある置賜地方は有名な織物の産地であり、糸作りから高度な絣の技術まで伝承されている。諏訪さんの息子さんであり染織家の豪一さんに工房を案内いただくと、まず目に入ったのは大型の糸撚り機だった。
「上越から麻の糸を作る技術が伝わってきたのがこの地方の織物の始まりです。これは昔から使われていた道具ですね。こういう道具で糸を撚っているところは本当に少ないです」。
工房には高機(たかばた)という大きな織機から、小型の織機、一部が機械式の織機まで数種類あり、工房で作られる織りの技術が多岐に渡ることが伺える。
そしてちょっと意外なことに、山ぶどうの蔓や木の皮を使った籠やかばん作りも行われていた。織機を操るのは女性の職人、籠を編むのは男性の職人さんだ。工房には絶え間なく織機の音が響いていた。


藍を建てる難しさ

諏訪さんは約30年前から藍染も行っている。藍染を行うためには、まず藍を建てなければならない。“建てる”とは、甕の中で藍の原料“すくも”、灰汁液を合わせて発酵させ、藍を繊維に吸収させる状態にすること。
「藍を建てるのにはどのくらい時間がかかるんですか?」と中田。
「気温にもよりますが、うちはだいたい7日間が平均です。その7日間はとにかく集中して管理します」と諏訪さん。
「こればっかりは、とにかく難しいですよ。全くわからないんです。これこそ20年30年続けなければわからない、“勘”が必要です」そうしみじみと話す。
この日は、藍の調子が悪いという。テストのために甕に沈めた木綿布は、甕から引き上げると濃い緑色をしていた。「初めは緑。空気に触れて青色になる。だけどもっと、きれいな色じゃないとだめなんです」と豪一さんが首をひねる。
藍は発酵を続ける間だけ染めることができるため、お酒を入れて発酵を促すこともあるそうだ。正に、藍は生きている。日々その調子を見極めることが必要になるのだ。
そして、とても珍しい染め物を見せてもらうことができた。「桜染め」だ。桜染めは花が咲く前の枝先を取り、皮を煮て色を出す。
「詳しくない人が単純に考えたら、花びらから色が出ると思いますよね?」と中田。
「そうかもしれませんね、でも春先の桜の木は力を目一杯溜め込んでいるんです。花が咲いた時にはその力を出しきってしまうから、花からは色が出せないんです」。桜染めは言葉では容易に表現できないような、ほんのりと淡い色合いだった。
織物生産が盛んな地域だからこそ培われてきた技術と、諏訪さんが追い求めてきた天然染めの技術。その両方が重なり、山形の風土を映しこむ織物が生まれている。

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