十和田市現代美術館

街全体でアートする
「十和田市現代美術館」

街そのものをアートに

区画整理などにより空き地ができた官庁街通りを新しく魅力のある景観を作り上げようと立ち上げられたのが「Arts Towada」計画だった。官庁街通りという屋外空間を舞台に、通り全体をひとつの美術館に見立て、多様なアート作品を展開していく計画だ。またアート作品に加えて、十和田市の歴史や美しい自然なども盛り込むことで、十和田市を個性あふれる「アートの街」「感動創造都市」として発展させることを目指して計画は進められた。
その中核施設となる十和田市現代美術館が2008年度に開館、引き続いて美術館向かい側に大型の屋外アート作品の設置を行い、Arts Towadaは2010年春に完成を見た。

街に溶け込んだ空間のアート

美術館には常設展として、草間彌生、ロン・ミュエクなど世界で活躍する33組のアーティストの作品が展示されている。そのほかに、文化芸術活動の支援や交流を促進する拠点として、ギャラリースペース、カフェ、市民活動スペースなどが用意されている。
また、個々の展示室を「アートのための家」としてそれぞれ独立の建物として配置し、それらをガラスの廊下でつなげているのがひとつの特徴。そのようにすることで、それぞれのアート作品にあった空間を作ることができるとともに、それらが織り成す空間そのものがアートにもなっている。

世界有数のアーティストたち

まず入口には、ジム・ランビーの「ゾボップ」という作品が。これは床一面に何色ものビニールテープを入れ子状に貼り詰めたもの。絵画とは違い空間がひとつの作品になっていく感じだ。そのほかにも細部まで克明に表現された4メートルを超える女性の像(ロン・ミュエク「スタンディング・ウーマン」)や、脊柱をモチーフに作られたトンネル(アナ・ラウラ・アラエズ「光の橋」)など、さまざまなアート作品が展示されている。ただし、それらがところ狭しと並んでいるわけではなく、ゆったりと鑑賞、体験できる。「展示室には大開口の窓があり、作品が街に対して展示されているような開放的なつくりになっています」と説明してくれた。世界有数のアーティストたちによる作品を鑑賞することのできる美術館は街という空間に溶け込んでいる美術館なのだ。

ACCESS

十和田市現代美術館
青森県十和田市西二番町10-9
URL https://towadaartcenter.com/