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自然を守りながら続く伝統猟 「坂網猟」

自然を守りながら続く伝統猟
「坂網猟」

DATA
大聖寺補鴨猟区協同組合

猟は鴨と人との知恵比べ

坂網猟は約300年前の江戸時代から伝わる石川県民俗文化財に指定された伝統猟。片野鴨池周辺の丘陵地を低く飛び越える鴨を、坂網と呼ばれる熊手状の網を投げ上げて捕まえる。大聖寺補鴨猟区協同組合の池田豊隆理事長は、この土地で坂網猟が盛んになった理由を、「四方八方を山に囲まれたすり鉢状の池で人が近づかないため」と説明する。古くは大聖寺藩主が武士の心身の鍛錬に奨励していたという坂網猟。「鴨は誰に教えられるわけでもなく、毎日の風や月の満ち欠けなどの変化に合わせてエサをとりに行く場所が違い、飛び立つ方向を変える。猟は鴨との知恵比べ。そういうところが面白い」と池田さんは話す。

池と鴨を大事にする

片野鴨池は1993年ラムサール条約に登録された。ラムサール条約は水鳥など湿地の生態系を守ることを目的にした国際条約だ。「先代、先先代と長い間ずっとこの池と鴨を大事に守ってきた。何十匹が来ようとも一匹だけを狙う。ラムサール条約の提唱者と考えが似ていると感じている」と池田さん。5時5分あたりが暗くなりつつある頃、猟が始まる。中田も猟に同行させてもらう。光やカメラ、些細な変化も鴨は察知するという。やがて静寂に包まれ、バサバサと羽音を立てて鴨が通り過ぎていく。猟が終わると、捕まえた真鴨を持って漁師たちが番古屋に集まってくる。「見ていて面白かった。真剣勝負なのがいい」と中田は話した。

新鮮な鴨を美味しく頂く

「鴨肉は泥臭いといわれるが、そんなことはない。日中に捕まえた鴨は泥を含んで美味しくないが、日暮れの腹が空っぽの時の鴨は、腹に何もないから絶対臭くない。日暮れ時は1日で一番美味しい時間だ」と池田さんは教えてくれた。坂網猟で獲られる鴨は年間300羽程度。坂網鴨が食べられる店は加賀市内でも限られている。その内の一つ、料亭山ぎしでは、石川県の郷土料理、治部煮をすき焼き風にアレンジした坂網鴨治部すきが食べられる。新鮮な鴨肉と地元で採れた春菊を合わせた鍋は、地元でも人気の一品だ。

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