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これまでに食べたことがない味「梨屋 与佐ヱ門」

これまでに食べたことがない味
「梨屋 与佐ヱ門」

DATA
有限会社与佐ヱ門 田中総吉
千葉県市川市北国分2-6-10
http://yozaemon.net/

千葉県の梨は日本一

梨といえば、鳥取や山梨を思い浮かべるが、じつは面積、収穫量、産出額すべてにおいて日本一なのは千葉県だ。
「果物のなかで梨が一番好き」という中田も知らなかった事実。
「味が自慢の千葉の梨」(キャッチフレーズ)なのである。

そんな千葉県に、200年以上続く老舗農家「与佐ヱ門」がある。梨を作り始めて60年。
2010年「千葉なし味自慢コンテスト」では、農林水産大臣賞(1位)を獲得した。
「幸水」「豊水」「あきづき」「新高」「かおり」「王秋」……ほとんどの品種を栽培している。

先代と共に、一念発起で開発した富里の梨畑

「うちは、他の梨農園さんとは違った特別な仕立て方でやっているんですよ」と語るのは、8代目の田中総吉さん。
従来の一般的な仕立て方では、経験豊富な人しか剪定・誘引ができなかったが、先代の考案した「H型4本主枝」という方法だと、パートさんなどでも作業が可能なのだという。
「うちは住居が市川にありまして、ここまで来るのに往復3時間かかるんです。ですから、なるべく作業にかかる労力を短縮して、よりいいものを作るためにこうした仕立て方をしています」
「市川も梨で有名ですよね? なぜ市川ではなく、こちらの場所に?」
「市川は、200年以上も梨栽培の歴史がある千葉県発祥の地ではあるんですが、その反面、都心に近く、住宅が多いんですね。農業に一番大切なのは土づくりですが、市川では堆肥が作れない。臭いやほこり、それから機械の音も近隣の方の迷惑になってしまう。だから、思い切ってこちらの場所に農園を構えました」
先代のころから20年かけて富里の畑の土壌改良を進め、ようやく美味しい梨ができるようになってきたそうだ。

その富里の畑で、田中さんに選んでもらった「豊水」を木からもいで、その場で皮ごといただいた。
「んまい!!」
梨を噛むたびに果汁が溢れて地面に滴り落ちる。
豊水は割合、酸味の強い品種だというが、この梨は酸味が強くなく、肉質がやわらかくて瑞々しい。
「これまで食べたことのない味」と中田も大絶賛。

「与佐ヱ門」という屋号を掲げて

「これだけ伝統がある農家さんだと、すんなり家業を継ごうと思いました?」
「いやぁ、僕ね、虫がまだ触れないんです(笑)。もともと農業も大嫌いで、子どものころも畑にほとんど入ったことがなくて」と笑う田中さん。
手伝いといえばとにかく逃げ回っていたという。
「たまたま縁があって農薬メーカーに勤めることになりまして、生産者の方たちを回っていろんな話をしたり、自分の家ではまったくしなかったお手伝いをしていくなかで、“農業っていいな”と思ったんです。それで自分を振り返ってみると、自分の家のことを何も知らない。親父とお袋がやってきた仕事を掘り下げて見たこともなかった」
そこで、考えに考えて家を継ぐことにしたという。

それ以後、屋号である「与佐ヱ門」を農園の名前として復活させ、情報を自ら発信、「与佐ヱ門の梨」というブランドの確立に心血を注いできたのだ。
「美味しさの答えは出ていません。きっと、最後の最後まで答えは出ないのかなと思いつつ、梨を作っているんです」

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