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土に土を嵌め込む。「陶芸家 佐伯守美」

土に土を嵌め込む。
「陶芸家 佐伯守美」

DATA
陶芸家 佐伯守美
栃木県芳賀郡芳賀町

 

陶器に”土”で描かれる自然。

陶器に描かれた木々、山々、湖。何気なく眺めてしまうと、筆で描かれた絵のように思ってしまうかもしれない。けれど、描かれる模様はすべて土によるもの。成型した粘土に彫りを入れて、そこに別の土を嵌め込む。つまり粘土の象嵌で描かれた自然なのである。 それゆえに、素朴な温かさが表現された作品になるのだ。

象嵌陶器を作る作家はいるが、幾何模様などを描く人がほとんどで、自然を描き出すのは今回お話を伺った佐伯守美さんのほかにはほとんどおらず、象嵌による自然の描写は佐伯さんの代名詞ともなっている。 驚くのは、模様ではなく絵画になっているところ。夕焼けのぼんやりとした色合いや、湖面に映る木々のゆらぎまで表現してしまうのだ。この技術を習得するまでには様々な研究がされた。そして現在の”絵画”の域にまで到達したのだ。

さまざまな技法を駆使して存在感を出す。

作家によっては、象嵌をやる人は象嵌作品のみということが多いが、佐伯さんは竹べらで絵を描く掻き落としや鉄を使った鉄絵という技法などいろいろな方法を使う。そうしてその場その場にあった存在感が器に浮かび上がるのだ。

また質感にもこだわりがある。お酒が大好きだという佐伯さん。自分で作った器でお酒をいただくこともある。 「お酒をこれで飲むわけですから、口にあたったときのするっとした感じとかをやっぱり気にするんですよ。表面にきちんとざらざらした感じを出すと、ビールの泡立ちもすごくよくなる。あとは手にしたときの質感なんかも気にしますね」 そう言うように、質感を出すため、筆の柄の部分で陶器に凸凹を作るといったような様々な技法を佐伯さんは駆使して、陶器に愛情を込めるのだ。

心象風景を映し出す。

お話を聞いたあとに彫りの作業を見学、体験させてもらった。成型されたカップを取り出し、彫刻刀をずいずいと入れていく。何もなかったカップに瞬く間に木が生えていく。その姿を見ていて、中田は「下書きはしないんですか?」と問いかける。 「しないんです。ここに描いているのは、自分の心象風景。だから、下書きなしで頭に浮かんだものを彫りつけていくんです」という。 それに習って中田も彫刻刀を持つが、「うーん」とうなり手はなかなか動かない。そこで佐伯さんの作品を見て木を彫りつける。そうしているうちに、ちょうちょが飛んでいるようなものを描いた中田独自の絵が出来上がっていく。最後に佐伯さんに泥を埋め込んでもらい作業は完成。焼き上がりが楽しみだ。

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