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チームワークで作るガラス作品「ガラス工芸作家 小西潮 江波冨士子」

チームワークで作るガラス作品
「ガラス工芸作家 小西潮 江波冨士子」

DATA
潮工房
神奈川県三浦市初声町和田2645-7
http://www.ushio-studio.com/

ムリーニで創りだす

この旅の茨城編でガラス工房SILICAを訪れた際に、ちょうどゲストアーティストとして招かれていた江波冨士子さん。彼女がガラス工芸作家の小西潮さんと共に制作をしている工房が神奈川にあると聞き、お邪魔させていただいた。
工房では早速、作品についてお話を伺う。江波さんが得意としているのがヴェネチンガラスに伝わる「ムリーニ」という技法。まず、「ケイン」と呼ばれる、様々な色や模様を一本の中に閉じ込めたガラス棒を作ることからはじまる。このガラス棒を金太郎飴のようにこまかくカットしたガラス片がムリーニの素材だ。この小さなガラス片を描きたい模様に合わせて組み合わせ、窯で熱して吹き、器の形に調整して作り上げる。
江波さんの作品には、花やハート型が整列したグラス、蜂の巣の上にミツバチが飛んでいる絵柄のグラスなど、透明なガラスに細かな模様が浮かぶ。その色やモチーフはなんとも可愛らしいく、独特の世界観溢れる作品だ。「ヴェネチアの技法を使って日本のくらしに合うもの、琴線に触れるガラス作品を作りたい」そう話してくれた。

小西さんはレースガラスを

小西潮さんは大学卒業後に国内外のガラスカンパニーで修行を重ね、アメリカから帰国後、江波さんと共にこの潮工房を立ち上げた。「ここ(三浦半島)は海がすぐそこなので、作業の後に海に潜りに行くこともあります」と、なんともうらやましいお話を伺う。

小西さんの作品は、ガラスの中に細かな線が幾重にも折り重なり美しい模様を表現している。この「レースガラス」と呼ばれる技法は、その名のとおりレースを編みこんだような繊細で複雑な線を描きだすのが特徴だ。レースガラスの制作も、ムリーニと同じようにまず素材となるガラス棒を作るところからはじまる。複数のガラス棒を組み合わせることで、新しいレースの模様が生まれ、小西さんの作品のように彩り豊かな表現を行うことが可能になる。

「チームワークで作るのが私たちの制作スタイルです」と江波さんが話すように、潮工房では一人では出来ない作業が多い。作業を見学すると、工房にいるメンバーが力を合わせて、息を合わせて作らなければ完成しないことがよくわかる。しかし、共同作業のなかにも、一人ひとりが自らの作品に特徴をもち、まったく異なる表現に挑戦しているのだ。


中田も腕がパンパンに!?

では、中田も体験をということで、レースガラスのコップを作ることに。まず、素材となるガラス棒を作る。七色のガラス棒を組み合わせて溶かし、その塊が着いた棒をふたりの人間が持って両端に伸ばすのだ。
中田に一本の棒を持たせる。自分も棒を持つ小西さん。「じゃあ、行きましょうか」と作業が始まる。ここはスピードが重要な作業。「おお、伸びていく」とその姿に感心していた中田だが、だんだんと顔が険しくなっていく。ガラスが伸びるにつれて重くなっていくのだ。「はい、オーケーです。置いてもらっていいですよ」。そう声をかけられたときには、中田の腕はパンパンに…。

苦労の甲斐もあって、ガラス棒にはしっかりと七色の線が螺旋を描いている。
そして、このガラス棒をコップのサイズに合わせて切り、組み合わせて溶かし、吹きながらコップの形を作りだす。細かい修正を繰り返し、虹色のレースが美しいコップが完成した。
できあがりは繊細な美しさなのに、作るのはかなりの肉体労働。汗をかきながら、「ものすごく熱い…」とこぼす中田。潮工房ならではともいえる、ガラス制作の難しさと面白さを体験することができた。

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