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金で彩る九谷。「錦山窯 吉田美統 吉田幸央」

金で彩る九谷
「陶芸家 吉田美統 吉田幸央」

DATA
錦山窯
石川県小松市
http://www.kinzangama.com/

九谷を彩る技術

「金沢市、加賀市、能美市など石川県南部を中心に生産される九谷焼。色とりどりの絵が施されたその姿は、誰もが目を奪われてしまうのではないだろうか。その九谷焼のなかで、異彩を放つ技法がある。それが「釉裏金彩」(ゆうりきんさい)。一度釉薬をかけて焼いたものに、厚さの異なった金箔で模様を作り、再度透明度の高い釉薬(ガラスの釉薬等)をかけて焼き上げるという技術だ。

今回お話を伺った吉田美統(よしたみのり)さんは、釉裏金彩の技法で重要無形文化財(人間国宝)の指定を受けている。高校在学中から作陶をはじめ、今日まで60年以上、制作、研究に尽力してきたという。
吉田美統さんの作品は、下地の色と金箔のみというシンプルな彩りで構成されるため、全体的に涼やかな印象だが、薄さの違う金箔により、たとえば蝶の羽の模様や、細やかな葉脈といった細部まで精密に表現され、奥深さが生み出される。

金箔の産地だからこそ

じつは、全国における95%以上の金箔がここ金沢で生産されている。九谷焼と金箔の融合である釉裏金彩という技法は、石川だからこそできた技法だ。

金箔はご存知のとおり、大変薄く扱いづらい素材。もともと、金箔は直線に切る技術しかなかった。そのため、金箔を全面に貼った上に色絵を施すか、幾何学模様の器が主流だったが、吉田美統さんは和紙の間に挟んで金箔を切ることによって曲線形に切り出す方法を編み出した。

中田も小さな皿に葉の金箔を配置する作業を体験させていただいた。小皿にフノリを塗って、その上に金箔を置き、定着させる。予想通り、金箔はヒラヒラと扱いが難しい。

伝わる技術と新たな感覚

吉田美統さんと共に九谷焼の伝統を受け継ぐのは、息子の吉田幸央さん。
2010年度に行われた第57回日本伝統工芸展では高松宮記念賞を受賞された。中田も「これまでに見たことがない焼き物ですね。」と不思議がる作品たち。

吉田幸央さんは、下地に水を弾く釉薬を塗り、その上に透明の釉薬をのせ、わざとはじかせて「水のかたち」を散りばめる。そして、その上に何色も絵の具を塗り重ね、細かい金箔を重ねて仕上げる。その透明感と色の重なりが、磁器と思えないほど柔和な印象の器。
見た目の印象は新しいが、作りの技法は伝統的なものだと吉田幸央さんは話してくださった。
色や絵の美しい九谷焼に金箔の彩を纏う「釉裏金彩」。
時代の感性を取り入れ、一代一代がその技術を築きあげて今日に至る技術なのだ。

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