2009.08.17
長崎日記
長崎。これで九州も残すところあと2県となる。
着いてまずすぐにコンビニへ。 以前も書いたが、ヒデさんは各県のコンビニなどでそこにしかないお菓子やドリンクを見つけるのが趣味なのだ。 外で待っている間、熊本出身の僕は小学校の修学旅行以来となる長崎にまた来たんだなぁ、と実に20年以上昔の事を思い出していた。
あの時の僕の視線の先には、同じクラスの初恋の子しかいなかったので、街並や観光名所などと言ったものはほとんど記憶にない。行った事ない人同様、カステラしか知らない。もう、あの好きな子を遠くから眺めるだけのような純粋だった時代からそんなにも月日が経ったのか・・などと一瞬淡い回想にふけようとした僕の視界にサングラス姿のヒデさんが入ってきたので強引に我に返されてしまった・・。
長崎へはサッカー絡みでも来た事がないというヒデさん。この地の知識は多くないはずなのだけど、そこは甘いもの好きの彼だ。興味は当然カステラである。
カステラの製造過程を見たい、という事で「和泉屋」の工場へ。 完全防菌で工場へ入ると、そこは甘い香りに包まれていて、以前見たお菓子工場が出てくる映画を思い出した。お菓子の甘い匂いが漂う職場なんて、子供であれば夢にまで見たりするだろうな、きっと。
夜はもう一つの長崎名物である「チャンポン」を食べに長崎市の街へ。 どうやらチャンポンという物をイマイチきちんとイメージ出来ていないヒデさん。今まで食べた事がないらしい。「チャンポンってあれでしょう?要はラーメンみたいなものでしょ?」 あれこれ説明しようと試みたのだけど、どうやら僕自身うまく説明できず、たいしてチャンポンを知らないという事にその時気付いた。ただその過程で一つだけ気になったのは、チャンポンには沢山の野菜がこんもり乗っているという特徴があるのだけど、ヒデさんは食べられるのか?という部分だった。

外で食事をする時は、僕らはなるだけその土地の食べ物を多く試してみたいので、3人それぞれ違う品を注文し、それを回して食べたりするのだ。 この日も例に漏れず、チャンポンと皿うどん、そして豚の角煮を饅頭に挟んで食べる東坡肉(とんぽうろう)の3品を注文。 そして待つ事数分、品が運ばれて来た。
予想通りというか、当たり前なのだけどチャンポンには野菜が王様のように君臨しておるではないか・・。 どうするんだろうと見ていると、器用に野菜を除けて麺とスープを楽しんでいるヒデさん。
「確かにラーメンとはだいぶ違うかもね。」 と言いながらズーズー食べている・・。ヒデさんの次に今回から牧君に代わってカメラマンとして来ている大島君が食べる。彼もまた腹が減っていたのだろう、美味しそうにズーズー言って食べている。その音はどこか、人の不安をかき立てる気がしてならなかった。なんでだろう。
そして最後、やっと僕の所に回って来た。 やっぱり・・。 麺が・・ない。野菜しか・・ない。チャンポンじゃ・・ない。 チャンポンと紹介されて来た品は僕の前では野菜スープに姿を変えていた。 その目の前ではヒデさんが東坡肉を頬張って「これウマいよ。」と言っている。 僕がすぐに角煮の数を数えたのは言うまでもないか・・。
最終日は雲仙、島原方面へ。島原といえばサッカーで有名な国見高校があり、街を車で通ってみると、サッカーボールの形をした街灯など随所に「サッカーどころ」を感じさせるものが見られた。
後部座席から「確か島原城ってあったよね?行ってみようか。」とヒデさん。 夕日に照らされた島原城にはほとんど人もいなくて、大きな駐車場には僕らの車がポツンとあるだけ。ボールの街灯に触発されたのか、急に「ボール蹴ろうか!?」とヒデさんが言い出す。
旅で今後も恒例になるであろう、「リフティング勝負」の始まりだ。 現役時代、如何なる相手にも手を抜く事を嫌った中田英寿は、夜の酒盛りだけを生き甲斐にしている僕らスタッフにも容赦はない。 当然彼が負けるはずもなく、宮崎の時と同様にカメラマンの大島君が罰ゲームをするハメに。
「あぁ、かわいそうに・・」と腕立て伏せをする大島君を見ていると、なんだか顔が嬉しそうではないか。 後で聞いてみると、高校時代はサッカー部だったらしく、ヒデさんとボールを蹴るのが夢だったという。 「夢叶ったんですから、腕立て伏せなんて安いもんですよ!」という彼。 若さとは実に素晴らしい・・。
次はいよいよ九州最後、福岡へ行く。