2001.03.29

3/24 in Paris!!

Romaに帰ってきました。ここは雨が多かったParisとは違って非常に暖かく気持ちがいい日が続いています。日中は陽が出ていると半袖でも良いくらいのさわやかな陽気です。また、暑く厳しい日々が始まるのか……。特に今年は、例年よりも1ヶ月遅くシーズンが始まったので、もちろん終わるのも1ヶ月遅いと言うことになるから、その分暑い日差しの中での練習や試合が多くなるんだよね~。しっかりと、ビタミンと鉄分を取って、体力維持をしっかりとしないと……。

 

さてさて、みんなが一番聞きたいと思っているであろう、フランス戦に話を移そうか……。

 

あの試合の後は、本当に沢山のMAILが届いたよ。それだけショックが大きかったのか、関心が高かったのか・・・。

 

「0-5」

 

これが結果。そして、内容にはそれ以上の差があった。いったい何がこういう結果をもたらしたのだろうか? 試合の経過自体は知っている人も多いと思うので、いまさらそれを語るんじゃなくて、その原因を見てみよう。

 

1、試合開始すぐにPKを取られて先制されてしまったことによって、選手が硬くなってしまった。

2、さらに2点目をすぐに取られたことによって、戦意を喪失してしまった。

3、グラウンドが悪く、普段のサッカー(パスまわし、踏ん張りが利かず転んでしまう等)が出来なかった。

4、フランスが非常にいいサッカーをした。

5、Parisに来たばかりで時差ぼけがあった。

6、シーズンが始まったばかりで、調子が最高潮ではない(相手は、シーズン終盤である程度調子が整っている)。

7、綺麗なサッカーをしすぎた。

 

ちょっと考えても、これだけのことがあげられると思う。これらを1つ1つ見ていこう!!

 

1、これはかなり大きかったと思う。アウェーで、しかもあれだけの大観衆の中での試合は選手もなかなか経験をしたことがないはず。だから、みんな試合前は多少なりとも緊張していたと思う。で、その緊張を解く方法は、自分のプレーを1つでもいいからすること。要は立ち上がりが大事ってこと。その立ち上がりに、なんとPKを取られて得点されてしまった。これによって、緊張をほぐし自信を持つ機会を失ってしまった。

 

2、立ち上がりに得点を許し、緊張したまま試合が進んでしまい、そうなるともちろんミスが多くなる。ミスが多くなると、ミスすること自体を怖がって、さらに体が硬くなる。さらにフランスは強い、との認識があるから、点差がつくとあきらめてしまう選手が出てくることは容易に想像が出来た。それが1点目を取られてすぐに2点目を取られてしまい、案の定、選手のやる気をそいでしまった。それが硬かった選手の動きをさらに硬くし、ミスを誘発させた。そのあと、俺のシュートがバーをたたいたものがあったが、あれが入っていれば試合はまた違ったかもしれない……(たら・ればはサッカーでは禁句)。

 

3、前日の練習のときから非常にグラウンド状況は悪く、試合のときなどは雨が降った後だったので、さらに悪かった。しかも、噂によると、この試合の1週間前にはラグビーの試合があったらしく、グラウンドは本当にグチャグチャ。イタリア(ヨーロッパ)では悪いグラウンドが多いために、フランスの選手や俺はある程度なれてはいるが、日本ではこういったグラウンドがないために、日本でやっている選手にはマイナス。そのために、試合開始から滑って転ぶのはすべて日本選手。踏ん張りが利かないため、相手のワンフェイントでも抜かれてしまう。これはボディバランスの問題もあるだろうが、やっぱり普段どういうところでやっているかという“経験”の差がものを言ったと思う。そして、日本にとってもっとも大事なパス回しや技術的なものがこのグラウンドによって出せなかったのは、日本にとって非常に痛かったと思う。

 

4、フランスがもともと強いことは知っているが、この日のフランスは普段にもまして良いサッカーをやっていたと思う。早い判断で数的優位を作る、という日本がやらなければならないことを相手に完全にやられていた。早いサイドチェンジから相手の薄いところを突き、ワンタッチツータッチでボールを前に進める。そして、相手が出てこないと思えば、ドリブルで前に進める。ゴール前には何人もの選手が詰めていく。相手のボールのときは、サイドに追いやってこれまた数的優位を作ってボールを取る、という、本当に日本が目指しているサッカーをそのままやられてしまった。いや、やられてしまった、というのは語弊があるかもしれない。日本がフランスのようなサッカーを目指すべきだと俺は思う。あれこそが俺が普段から言っている「シンプルなサッカー」だと思う。確かに、フランスの選手は体格がよかった。競り合いに強かった。でも、それ以上に、競ることさえもなかなかさせてもらえなかったのが現状だと思う。俺は、あのフランスのサッカーに日本の今後があるような気がする。

 

5、Parisと日本の時差は8時間(冬時間だったから)。日本代表がParisに着いたのが、試合4日前。俺と西沢に関しては、それぞれイタリアとスペインからだったのでまったく時差はなかった。俺も何回も試合をしに日本へ帰っているからわかるが、確かに時差ぼけのときの試合は辛い。体が動きづらい。海外にいったことがある人ならばわかるだろう。特に辛いのが、2日目、3日目。で、4日目くらいからやっと治り始めてくるといったことろだろうか。逆にいえば、海外から日本へやってきたチームはいつもそういう思いをしているってことだ。だから、日本でいくら強いと言われているチーム相手に善戦しても、結局はなかなか本調子のチームとやれていないことが多いと思う。だからこそ、今回は自ら外に出てきたんだと思う。時差を言い訳にしたらきりがない。

 

6、Jリーグは開幕して、確か2、3試合を消化したところだ。言い方を変えれば、今からエンジンがかかり始めるところだろうか。反対に、こっちのヨーロッパのシーズンはどの国も終盤に差し掛かっている。と言うことは、疲れている可能性も大だが、体は良く動く選手が多い。これも原因の1つに考えることができるだろう。

 

7、綺麗なサッカーと言うのは、激しくない、やさしいサッカーと言うこと。俺は基本的にはファールなどは絶対にしたくないタイプの人間である。だが、この間のような技術的に圧倒されるような相手には、その技術を出させないような厳しいタックルをしていかねばならない。もちろん、ファールになったとしても、だ……。それによって相手が萎縮してくれれば儲けものだし、そうでないにしても、相手に余裕を与えないことだ大事。俺は、言葉でみんなを引っ張るようなタイプではないので、みんなに分かってほしくて自分からそれをやっていたのだが、結局、最後までその効果を見ることはなかった。

 

と言うような原因のすべてが重なって、0-5と言う結果をもたらしたんだと思う。しかし、俺は下手に0-2、0-3で負けるよりも0-5ですっきりと負けてよかったんじゃないかと思う。

 

昨年のハッサン2世ではフランスに負けたとはいえ2-2までもっていった。オリンピックでベスト8に入った。アジアカップを優勝した。などなど一見、日本のレベルが非常に上がってきてチームも完成に近づいてきているような雰囲気が多少漂っていた。これは、メディアにも選手にも、監督にもあったと思う。完成に近づいてきたと言うのを否定的に見ると、やるべきことが見つからなくなってきた。後は経験だけ、というような感じがした。それが、今回の試合によってすべて打ち砕かれ、やるべきことが沢山見つかった。確かにWCまではあと1年しかない。でも、明確な目標を持って過ごす1年と、なんとなく過ごす5年では、明確な目標を持って過ごした1年の方が、ずーっと価値はあると思う。ともかく、この結果をどう考え次に生かしていくか、ということが日本をさらに強くする一番重要なことになるだろう!! スペイン戦に期待しよう(人事みたいだけど、もちろん俺もね)!!

 

ちょっと長くなったから、そろそろ終わるけど、その前にちょっと俺自身のことを……。俺自身は、この試合では久しぶりに楽しめた。もちろん、試合は0-5 で負けたし、なかなかボールをもらえなかったり、出せなかったりしていらいらもしたけど、やっぱりこういう強いチームとサッカーをするのは楽しい。やる気も自然と出てくるし、何よりも、やりがいがある。目の前に障害が大きければ大きいほど俺は燃えてくるタイプだからね~(笑)。それにしても、Romaでなかなか90分の試合をやっていなかったから、最後まで体力が持つかが心配だったけれど、最後まで持ってよかったよ。最後は脹脛が攣りそうだったけど…… (笑)。体も動いたし、調子はよかったけど、結局得点出来なかったのが悔しい。あの0-2のときのクロスバーにあたったシュート、ああいうのをきちんと決めきれるようにならないと・・。そうして、チームが苦しいときや試合が均衡しているときに1発で状況を変えられるような選手になっていきたいと思う。また、Romaで練習を頑張るぞ~!! そして、今度のスペイン戦こそは・・・・。

 

じゃあ、今回は非常に長くなったけど、またね~。

次回は、もっとサッカー以外の話も入れるからね~。お楽しみに!!