2001.05.16

終わりよければすべて……

まるで、97年ワールドカップアジア最終予選、ジョホールバールでのゴールデンゴールのシーンを彷彿させる、そんな感じがした。場所も試合も、まったく違うが、それくらい大事だと言っていい試合だったと思う。

 

金曜日の夜、突然チームマネージャーから電話がかかってきた。外国人枠が廃止になったからTorinoに行く用意をしてくるように、とのことだった。

この週、俺は火曜日の練習で左足の付け根を痛め、水曜日、木曜日、そして金曜日とチームとは別メニューで練習をしていた。なのでもちろん、Juveとの試合のためにTorinoに行くとは、正直言ってこれっぽっちも思っていなかった。それが、突然この連絡。

土曜日は無理をしないようにしながらも、チーム練習に合流。思ったよりも足は痛まなかった。ただ、今週は大事をとって、練習をほとんどしていなかったから、ボール感覚と心肺機能がちょっと心配ではあった。っま、といってもスタメンででるわけでもないから、どうにかなるかな~なんて思っていたけど… (笑)。

 

試合前、もちろん不謹慎なのは分かっていたけども、俺は密かに、ROMAが前半で1点を取られて、そして、後半に入ってもう1点取られて0-2になったところくらいで俺が登場して、同点か逆転劇をしてヒーロー!!

な~んて事を単純に思っていたんだよね。

 

そうしたら、試合開始で突然2点も取られちゃって…。アッスンサオと2人で、ここで登場して同点にしよう、とか笑いながら話をしていたんだよね。そうしたら、案の定、後半に入ってアップ命令。そして2人一緒にグラウンドに投入された。

この試合に負けたら優勝が遠のくどころか駄目になってしまうかもしれないという、ローマにとっては何よりも大事な試合だったのにも関わらず、俺はかなりリラックスしていた。何でだろう?

何よりも、こういった大事な試合に出られることが嬉しかったんだろうな。監督からの指示は、相手の右サイド、要はこちらから見て左サイドが空いているからそこに張っていろ、とのことだった。俺としてはやっぱり真ん中でのプレーが一番好きだし、得意としているから、ちょっと本心不満はあったが、そこは指示としてきちんと守ったつもり。でも、やはりボールがあまり来なくて、徐々に中に入っていっちゃった。

 

そして、後半31分(だったよね?)、中盤でJuveのタッキナルディがボールを受けるのを見て、プレッシャーをかける。彼は、前半から見ていてボールを受けるときにプレッシャーがかかると、かなりの確率でワンフェイントを入れて逆にトラップするという特徴があった。だから、今回もそれをするだろうと予想をしていたんだ。そうしたら、それがものの見事に当たって、ボールを奪取。

FWのMONTELLAとBATIがすかさず前線に走り出す。それにつられて相手のDF陣も後ろに下がる。

最初は、どこにパスを出そうかとまわりを見たが、スペースがなく、そして相手のDFが下がっていくために自分の前にスペースを見つけた俺は、思い切ってシュ~~~~~~ト!!

 

後のVTRで見ても、我ながら本当に良いコースに飛んだと思ったよ。キーパーの手からまるでボールが生きているかのように逃げていくんだもん。

これはやっぱり、BALBOのシュートをまねて練習をした成果かな。その前のUdinese戦のシュートの方が芸術性が高かったかもしれないけれど、このシュートも久しぶりにすかっとした良いシュートだった。

 

これで、1-2。このゴールによって、それまでJuveのペースで来た試合展開がROMAのペースへと変わってきた。がしかし、さすがのJuve、守ったときは強いよね。

 

そうこうしているうちに後半もロスタイム。ボールは左サイドのカンデラが…。そしてサポートへいった俺へとボールが流れてきた。どうしようかすっごく考えたんだよね。実際の時間は短いんだろうけど、ああいう瞬間って時々あるんだ。俺にはこの瞬間が30秒、1分くらいに感じたんだよね。

自分の前にスペースがあったからシュートを打とうとは思ったんだけど、横から流れてくるボールって良いシュートを打つのが非常に難しいので、トラップをして前にボールを出すかそのままダイレクトで打つかすごく迷ったんだ。

 

で、結局はダイレクトで打つことに…。結果これが功を奏したね。ミートを心がけた結果、中心をとらえたボールは無回転でキーパーへ。ああいうシュートってキーパーにとって一番嫌なんだよね。どういう風に変化するか分からないから…。そして、本来ならばそういったシュートは弾くのが一番良いのだろうが、取れると思ったのかJuveのキーパーはキャッチをしに。

その結果ファンブルをしてしまい、そこに待っていたのはMONTELLA。彼は本当にこういう反応が早いよね。もちろん、そのままゴール!!

 

この瞬間、僕の頭には冒頭で述べたあの日のことが思いだされたんだ。

 

試合はこのまま2-2で終了。ROMAはまるで優勝したかのような喜びよう。逆にJuveは優勝が消えたかのように意気消沈。

俺としては、たしかにゴールも決めたし、次の得点につながるシュートも打ったけど、プレー内容としてはいまいちだったと思ったのだが、やはり試合が重要だったためか、まるで優勝ゴールを決めたかのようにみんなにお祝いをされたよ。

嬉しい反面、これまでの自分の結果が評価されていないような感じもしてちょっと悲しかった。

でも、俺にとって風向きが変わってきたのはたしか。この勢いを持続して次もいくぞ~!! ってことで、アタランタ戦。

 

前回のJuve戦で結果がでたとはいえ、さすがにすぐにはレギュラーとして試合には出してもらえない。

 

でも、前回の試合で自信がついたのか、焦ることもなく、途中出場を確信しているかのようにベンチで試合を見つめる。アタランタは前半戦快進撃を続け、今年セリエAに上がったとは思えない結果を残したが、後半戦に入りちょっとトーンダウン。ここ数試合もなかなか良い結果を出せないでいた。が、ROMAとはコッパイタリアで対戦して、実際に破っている経験を持つ。

 

試合開始からアタランタは守りに多くの人数をかけてカウンター主体で試合を進める。それにはまってしまったかのようにROMAも良い形が作れず、逆に相手に危ない場面を作られる。前半、0-0。

ここでまたアップ命令がでる。そして、後半も膠着状態が続いてカペッロが業を煮やしたのか、Juve戦に続いて投入される。入ってすぐにシュートチャンスが訪れたが、これは上手く当たらずにコーナーキック。と思ったら、このコーナーキックが綺麗な弧を描きMONTELLAのところへ…。もちろんゴール。

 

沢山の人から、俺とMONTELLAのコンビが良いんじゃないかという話があったが、特別一緒に練習をするとか一緒に遊びに行くとか言うことはないんだよね。まあ共通していることと言えば、今シーズン、2人してなかなか試合に出られずベンチで辛い時期を過ごしたって事かな。そのころは結構2人して励まし合ったもんだ(笑)。でも、途中からMONTELLAは俺をおいて行ってしまったが…(泣)。

 

プレーから言えば、たしかに彼のようなボールをもらうために動く選手っていうのは、俺にあっているかも。まあたまに持ちすぎの時もあるが、それも愛嬌って事かな。ともかく、結果この得点により1-0で勝利を収めた。たしかに良い内容とは言い難いが、今のROMAにはともかく勝利が必要。2位のLazioと 3位のJuveが勝ったためにポイント差は広がらなかったけど、最低でもこのポイントを保たないと…。

 

ともかく、次のバリ戦は、相手はセリエB落ちが決まっている(よね?)ために、ある程度リラックスして試合が出来る。こういうとき程良い試合をすることがあるんだよね。だから、ROMAはたとえ相手が最下位だといってもまったく気が抜けない、むしろいつも以上に集中してやらなければならない試合になるだろう。

 

ともかく、残り4試合。最後まで体調を整えて、そして出たときには必ず良いプレーが出来るように準備をして頑張るぞ、と…。

 

今シーズン、今までは厳しいシーズンだったよね。様々な状況下で試合に出るチャンスがなかった。でも、終わりよければすべて良し!! ってね。

 

今日は長いぞ~。まだあるよ。

話は変わって、コンフェデレーションカップのこと。日本でも俺が行くかどうかって言う話がされていると思うけど、実際、俺もまだ知らないんだ。

まあ、ROMAの方も27日のMILAN戦が終わった後は、ヨーロッパでWCの予選が行われるために2週間のあきがあるんだよね。だから、正式に呼ばれたら、日本にはいく予定。でも、ROMA側としては、行ったとしても2試合くらいでとにかく帰ってきて欲しいみたいだけども、ただ、代表の方としては、予選3試合は最低でも出て、ってことになるだろうね。

 

でも、予選を終えて、勝ち残った場合に関しては、まあROMAの状況によるだろうなあ。27日のMILAN戦で、もしローマの優勝が決まっていたら、ローマに戻らなくても問題はないだろうけど、そうじゃない場合は、俺としてもやっぱりROMAに帰りたいと思う。

 

ともかく、最終的には日本協会側とROMA側との話し合いになるだろうから、俺はその話し合いを待つだけ。どうなるんだろうね?

 

いやいや、マジで長くなってしまった。

そろそろ、練習に行かないといけないから、またね。今週のバリ戦も行ってくるね!!