2006.06.02
From Bonn!!
5月26日、とうとうWCの日本代表合宿地であるドイツのBonnに乗り込んだ。到着した日は生憎の雨。気温も低く肌寒かったのだが、“まあ、今日は天気も悪ことだし、特別に冷え込んでいるんだろうな”なんて高を括っていたのが大間違い!!
以降、連日雨は降ったりやんだりで、気温も上がらず(まるでイギリスに戻ったかのような天気!!)。昨日、今日なんて手袋をつけて練習したくらい。 Hotelの部屋の中でさえ肌寒く、暖房が欲しいなんて思う日もあるくらい。6月に入った事が未だに信じられないような寒さである。
BaseとなっているHotelは、2月に行われたボスニアとの親善試合の時に来ているので、環境はよく把握していたし、ここで必要なものは事前に全てイギリスから送っておいたので、準備万全!!
まあ、必要なものといっても、DVDや本や雑誌、約1ヶ月滞在するのに必要なBath用品やキャンドル等なんだけどね。そして俺にとって1番重要なネット環境は、ちゃんとハイスピードが備えられているので非常に便利。快適。
食事面だけど、日本から専属のシェフも2人来ている。そして現地の料理人が作っているのだろう思われるドイツ料理+日本人シェフが作る日本食&パスタが毎食用意されているので、困る事もない。
そして最終兵器、日本のお菓子ももうすぐ到着する(笑)。
毎日行っている練習の場所は、Hotelから車で5分ほどの場所にあるスタジアム。2月に来た時は雪が降っていたので、正直グラウンドの状態がちゃんと分からなかったのだが、現時点の状態はなかなか良好。これで天気がよければ申し分ないのだけれども……(苦笑)。
そんな環境下、6月12日の第1戦目であるオーストラリアとの戦いに備え、毎日練習が行われている。トレーニングは試合形式(と言ってもグラウンド前面ではなくいろんなサイズ違い)のものが多く行われ、その中で、相手へのプレッシャーの掛け方や、早い攻め方などを練習することが多い。
そしてここにきて、シュート練習も非常に多く、練習の最後には“必ず”と言っていいほど、シュート練習で終わる。やはりジーコはこのFinishの部分を重要視しているんだろう(当然と言えば当然なのだが)。確かに、攻めも守りも全ての選手が、どんな試合よりも、必死になるWCでは、シュートのチャンスも、そう数多くあるわけではない。でもその数少ないシュートチャンスを如何にものにするかが、試合を決定付ける事になっていくのは間違いない!!
つい先日行われたドイツ戦。日本は本当に数多くの決定的チャンスを作った。あれだけの決定的チャンスを作ったのは、ここ数年で一番だったんじゃないかな。がしかし、結果としては2点しかとることが出来ず、その結果が2-2の引き分けで終わった。2点取った後に2点取り返されて、結局追いつかれてしまったという後味の悪さよりも、チャンスがあれだけありながら、3点目、4点目を入れる事が出来なかった事のほうが残念。かくいう自分も最初のチャンスをキーパーに止められてしまった。あれを本番では確実に決められるようにしないと……。
これは周知の事実だと思うが、ジーコはこの4年間、守備よりも攻撃に力を入れて練習をやることが多かった。と言う事は、このチームは基本的に攻撃重視で作られているということになる。つまり、失点を0に抑えることによって勝つというよりも、(もちろん出来れば最高だが)、得点を2点3点と挙げることによって、勝つという事。
だから選手も、守る時、如何に守れば、それが積極的な良い攻撃につなげられるか、という事をとにかく考えながらプレイする必要があると思う。
さて、ドイツ戦だけど、まず彼らの最初の印象は、ドイツ人って大きい~~~(笑)。これは冗談じゃなくて、知ってはいたものの、これほど大きい選手が揃っているチームとは思っていなくて、入場の時に隣の選手達を見てかなりビックリしたし、グラウンドの中で対峙した時にはさらに大きく感じた。
これまで、UEFA CUPなんかで対戦した時のドイツのチームには、ここまでの印象を持たなかったのに……。監督のクリンスマンが、狙って大きい選手ばかりを集めたとしか思えないくらい。
試合開始してすぐは、その背の高さと足の長さに正直ちょっと圧倒されたが、すぐにこちらのほうが俊敏性が優れている事が分かり、どうやって攻撃を進めていけばいいか、ということが頭に浮かび落ち着きを取り戻せた。
ただ、ヘディングの競り合いには正直勝てる気はしなかったけどもね……(苦笑)。とは言っても、 ヘディングの競り合いというのは、“勝てなくても負けない、相手に簡単にやらせない”方法があるから、焦りはなかったけどね。
ドイツは攻撃重視のチームなのか、バラックがあまり守備に戻ることもなく、いつも攻撃時に良いポジションにいられるよう、相手にマークされ難いポジションを取っていた。そして、相手のボールを奪うと、ドイツはそのバラックにめがけて素早くパスを出す。そこからバラックがサイドに散らし、サイド攻撃からのセンターリング+シュートをするというのが、その攻撃の基盤だった。
だから日本としては、このバラックを出来る限り、前に向かせてプレーをさせない事が大事だったので、そこを俺と福西が注意していくようにつとめていた。それと、サイドからのセンターリングを防ぐためには、日本の両サイドの後ろを取られない事もとても大事だった。だから、日本は前半途中、ちょっと苦しくなってきた時間帯に全体を引いて、相手が狙っていた裏のスペースを消してしまった。そうしたら、案の定ドイツは攻め手を失った。
そしてドイツの守備はというと、DFは一直線のラインディフェンスを敷き、中盤は真ん中に人数を掛けて両サイドにスペースを残す事が多かった。そして、ドイツの1番の特徴的な守備は相手に取られた瞬間。その瞬間にまたすぐに人数を掛けて奪い返す。これを重点的に行っていた。
日本は前半、相手のこのディフェンスに苦しむ事が多く、ボールを奪ったと思ってディフェンスが安心した瞬間、ボールを奪い返されてフリーな選手にパスが渡りシュートに行かれてしまう場面が何度かあった。がしかし、逆に言うとこの局面を突破する事によって(多くの場合が早いつなぎからのサイドチェンジ)決定的なチャンスも何度か生まれた。
このドイツ戦、日本がやらなければならなかった攻撃は、 2タッチでの早いボール回しとサイドチェンジ。これを繰り返しているだけで何度でも相手を崩せたと思う。ドイツは真ん中の守備は強いがサイドは手薄で、しかも片方に寄ってしまうという特徴を持っていた。そして、その真ん中も最初はきちんとマークに付いているものの、速いボール回しをされてしまうと、ボールを見ることに集中して足が止まってしまっていた。実際に、日本がこういうサッカーが出来た時にはほとんどの場面で、相手のゴール前まで行き、かつ多くの決定的チャンスを作り出していた。
さて、この試合の大きな分かれ目になったのは、後半2-0でリードした後の大体後半25分から35分までの10分間。全体に疲れが見え始め、ボールを奪ってもなかなか相手の裏に出て行けず、相手のディフェンスラインが徐々に押し上げられ始める。
結果、日本は自陣ゴール前から相手のプレッシャーを受け、不用意なパスミスやファールが多くなり始めた。その結果が、2つのセットプレーからの失点となった。
逆に元気な交代選手が入ってきたた後半35分以降というのは、また相手の裏を突き始められ相手のディフェンスラインを下げる事ができ、安定し始めたのだが……こういう苦しい時間帯というのは実際に本番でも考えられると思う。そういうときに、どうチームがまとまって(声なんかを出し合いカバーしあって)戦い抜けるか、と言うのが非常に重要になってくると思う。
さて、失点となったセットプレー。確かに、ああいった空中戦が明らかに強いチームには、まずファールを与えない事が大事なのは間違いない。がしかし、流れの中ではファールをしてでもとめなければならない局面も出てくる。そういう時に、どう対応するのか。正直、ああいうセットプレーでの競り合いは、チームで守りつつも結局は1対1の戦い。チームでいくらセットプレーの守りの練習をしても最後には個人の戦いになる。なかなか勝てないならば、どうやったら負けないかを考えるしかないし、これが特にオーストラリア戦での“鍵”になってくると思う。
オーストラリアがどういうサッカーをしてこようと、苦しくなった時には必ずロングボールを放り込んでくると思う。特に、このドイツとの日本の試合を見た後では、その確率はさらに高くなると思う。これにどう対応するか?
この課題がこのオーストラリア戦までの最重要課題になる事は間違いない!!
ともかく、攻撃面でも守備面でもいろんな意味で成果のあったドイツ戦だった。今度、4日にあるマルタ戦ではこの試合での課題をきちんと修正するようにしていきたいと思う。
本当はもっと色々と書きたいことはあったんだけど、とても長くなってしまったのでまた次回!!
じゃあね~。