2010.06.14

HIDE’S REPORT Vol.1 「開幕戦」

開幕戦

あれから4年、ワールドカップが帰ってきた。“もう4年“なのか“まだ4年”なのか、自分でもどう表現したらいいのか分からない。

ただひとつ確実に言えるのは、この4年に一度開催されるW杯がこれまでの僕の人生に大きな影響を与えてきたということだ。

U-17からワールドユース、オリンピックと各年代の世界大会に出てきて、それぞれでベスト8まで進出してきた。しかしそれで自分の人生が大きく変わることはなかった。
ところがW杯は違った。自分にとっても日本にとっても初出場となった12年前の1998年 フランス大会。結果は一次予選、3戦全敗。内容はどうあれ、惨敗だった。しかしそのW杯をきっかけに僕は海外移籍をすることができた。
それまでの僕にとっては、W杯も海外移籍もどこか非現実的なものだった。それが一気に現実へと変わっていった。あのフランス大会をきっかけに自分の人生が大きく変わることとなったのだ。

2回目のW杯は02年、ホームとして迎えた日韓共催大会。あの大会がなければ、日本でのサッカーブームは起きなかっただろうし、また、日本におけるサッカー文化はまた違ったものになっていたかもしれない。W杯があると言うことで、国全体でサッカーを応援しよう、盛り上げようという流れが出来ていたし、メディアの注目も必然的に高まった。98年のフランス大会で惨敗しながらも、国内でのサッカー熱が高まっていったのは、確実にこの2002年W杯という目標があったからだろう。そして、その流れによって今の僕があるだろうし、2002年W杯がなかったら。また違う場所に立っていたといっても過言ではないと思う。

そして2006年W杯。僕は当時サッカーをプロとしてやって行くことに、疑問を感じていた。悩みに悩み抜いた結果、この2006年のW杯での引退を決意した。たぶん、このW杯がなかったら、決断は鈍っていたかもしれない。しかし、W杯とはそんな人生最大の決断を決定づける程、自分の中では大きなものだった。

このように僕の人生の岐路で、必ず現れてきた、必ず関わってきたW杯。でも、このようにW杯が選手の人生を大きく変えてきたのは、僕だけではないと思う。他のサッカー選手は当然のこと、実際に大会で働く人達、その周りで色んな活動をする人達、大きくは国を含めてまで多くの人達にW杯は影響を及ぼしていると思う。

僕は今回、W杯を初めて外側から観、体験をする。今回、アフリカ大陸での初めての大会となるが、これがいったいどういう影響を世界に与えるのか、スポーツの枠を越えて大きな影響を与えるに違いない。また冬のW杯とはどういうモノなのか、次のW杯がまた冬のブラジルと言うことで、非常に興味があるところだ。

僕はこれから、南アフリカへと旅立つ。これまで何度も僕の人生に大きな影響を与え、ターニングポイントとなってきたこのW杯。今回のW杯が、どんな変化を僕に与えるのか、これから非常に楽しみだ。もしかして、またサッカーに戻ったりして・・・。

到着したその日が開幕戦。久しぶりにサッカー漬けの日々になりそうだ。