2009.08.19
福岡日記
長崎の島原半島から福岡へ長距離移動。
先日行った佐賀を今度は西から東へと横切る。ついに九州も最後の県となってしまった。
熊本出身の僕は、好きな九州の旅の終わりが間近である事から感じる少しの寂しさと、九州一の都会である福岡でどんな事が起こるんだろうという期待とが複雑に入り交じった、そんな妙な気持ちで夏の九州自動車道を走っていた。
福岡はこれまでの九州のどこよりも栄えていて、一瞬、初めて上京してきた時を思い出した。中心地の天神も街の規模として大き過ぎず、歩いて回るのにも丁度良いサイズである。街行く人たちも東京のようにお洒落だけど、表情が幾分か柔らかいと感じた。
中心地に入ると後部座席で漫画を読んでいたヒデさんも、「車多いな。結構栄えてるね。」と福岡の大都市ぶりに少なからず驚いていたようだ。何しろ、この旅で初めて渋滞にハマったのである。
初日はTOTOの工場を見学に北九州へ。工場を実際に見て、びっくりする事が沢山あった。
想像もつかないほどの細かなこだわりなどにも驚かされるが、何よりも働く人たちの元気が良い。工場の方々の声も溌剌としていて気持ちがよく、皆が笑顔で働いている。その現場で働く人たちの雰囲気こそ、とても素晴らしかったと思うのだけど、あれほどの規模の会社でそういう雰囲気を保てる所は、そうそうないのではないだろうか。

翌日は中州川端通りにある門田提灯店へ。ここでヒデさんは提灯作りに挑戦。ここでは特別に、居酒屋さんより実際に発注された店頭提灯の筆入れを手伝わせて頂けるとの事。
「え?けど僕、ミスしちゃうと大変ですし、ご迷惑だけはお掛けしたくないのでそれはいいです!」と恐縮しながらもやりたそうな目で店主を見るヒデさん・・。 「いやいや本当にご迷惑だけは・・」と丁重にお断りしようとする僕を若旦那の門田さんが制す。
「大丈夫です。中田さんが筆入れして下さったとなればお客さんも絶対喜びますから(笑)」 するとヒデさんも「じゃぁやりますか!」とリラックスし、ミスもなく無事に体験する事が出来たのだった。 たった一言でヒデさんをリラックスさせた門田さん。 こういう人の気配りって、本当に素晴らしい。

福岡の最終日は久留米市にある宿、「ふかほり邸」へ。 着いてすぐに卓球対決。ヒデさんへの日頃の・・いや、リフティング対決のリベンジに燃える僕と大島ディレクター。 まずは大島君とヒデさんが対戦。体の大きい大島君はヒデさんから器用に右に左にと球を振り分けられてドタドタと走り回っている。結果は惨敗。 次は僕。少し飽きてきた感のあるヒデさん。これはチャンスだと思った。しかも僕には自信があった。
もう20年近く前になるが、僕の実家の目の前にはボーリング場があり、併設された卓球場で他に何もする事がなかった僕と友達は日々そこで激戦を繰り広げていたからだ。 結果は完全に飽きのきたヒデさん相手に4戦4勝。 「そろそろ戻ろ。」と終わってからスタスタと卓球場を出るヒデさん。その後ろでは、大島が辛そうな表情でスクワットをしていた。罰ゲームは絶対に嫌だなと思った。
ここは敷地内に国内の材料で作るパン屋さん「じゃぱん」があり、ヒデさんはパン作りにも挑戦。 丁度僕らの夕食が終わる頃に焼き上がったとの事で、わざわざ持ってきて頂いた。
美味しい地元の料理をたらふく食べ、膨れ上がったお腹に食後のコーヒーまでしっかり流し込んでいたのを忘れてパクパク食べれてしまうほど、これが実に美味しかったのである・・。 そんな僕らを見ながら満足気にニコニコしているヒデさん。 この人は多分、人が喜ぶ姿が一番好きなのだろうと思う。

九州の旅がついに終わった。あっという間だった気がする。この九州だけでも、ヒデさんは色々なものを学んだ気がするが、果たして僕らスタッフは何を学んだのか。すぐに答えは出てこない。けど多分、そういうものなのではないかと思う。すぐに答えを求める必要はないのだ。
次は関門海峡を渡り、いよいよ本州へと入る。