2009.05.02
沖縄日記
空は青く晴れ渡り、潮風が僕らの肌を心地よく撫でて行く。
激しく打ち寄せる高波により荒々しく削られた崖。そこは今日も、幾重にも押し寄せる紺碧の波が激しくぶつかり、砕け、白い飛沫となり、まるでクジラの潮吹きのごとく高く舞い上がる。
その飛沫は風にのって崖から数メートル離れた僕らを優しく湿らせる。 そこにヒデさんはいた。
この波照間島から、中田英寿の国内の旅が始まる。 この旅の最終地点は北海道の宗谷岬。
それまでに全都道府県を周り、色々な人たちに会いに行く。ただの仕事として行くには勿体ない、壮大なスケールの旅になる。
ヒデさんには悪いが、仕事はそこそこに、僕は僕の旅をさせてもらう事にしよう。
2日目は朝から石垣港へ。今日行くのは竹富島。沖縄の古く懐かしい町並みがそのまま残っている小さな島。 石垣港からフェリーでわずか10分。海が時化っていて、かなり揺れた。
乗り物に酔いやすい僕は同行ディレクターの牧君から酔い止めの薬を頂戴していたので、なんとか大丈夫だった。
ヒデさんは乗り物にはほとんど酔わないらしい。移動の車中でもいつも雑誌や漫画を読み、パソコンで仕事などしている。僕からすると信じられない光景だ。
下を向いただけで「うっ・・」と来る。フェリーに乗る前に「薬、飲みます?」 と聞くと、 「大丈夫だろ。自分も気分が悪くなりそうだったら寝れるようにした方がいいよ。どこでも寝れるようにしとくと楽だよ。」との事。 まるでどこぞの軍人である。
竹富島に到着すると宿の迎えが来ていた。一旦宿へ移動し、レンタサイクルで集落へ。小さな島なので自転車でどこへでも行けてしまう。
ヒデさんは久々自転車に乗ったのか、先頭を走るその後ろ姿が妙に嬉しそうに映った。立ち漕ぎまでしている。。 昼飯は「やらぼ」へ。ここではソーキそばを頂く。美味い。沖縄ではこの後もほぼ毎日ソーキそばや八重山そばを食べる事となったのだけど、ほとんど外れはなかった。東京の沖縄料理でも同じ味が出るのだろうか?帰ったら試そう。 その後軽い通り雨に降られながらも、町を軽快にサイクリング。 途中自転車を駐輪場に置いて徒歩で散策。
「願寿屋」というお洒落なカフェ(?)にてまったりとソフトクリームを頂く。 新しいもの好きのヒデさんは、この店自前のハーブティーも飲んでいた。 夕方からヒデさんがランニングをするという事で、一緒に走る事に。。 走り始めてから2分も経たない内に彼と自転車で並走していた牧ディレクターの姿が見えなくなった。。
昔は体力に自信があった。けどもう30を過ぎた今、まるで自分が別人のように感じた。少し体を動かさないと本当にやばいな・・と再認識。 夕食は「竹の子」へ。ヒデさんとは現地集合となっていたのだが、スタッフが到着してから10分くらいして「迷ったー」と言いながら遅れて到着。
集落から外れると全く電灯がない島なので道を覚えてもほとんど意味がない。まあよく着いたな・・と思った。 こうして旅は始まった。事前に調べた情報と現地で調達した生の情報をもとに、農業や伝統工芸などその土地で面白い事をやっている人たちへと会いに行き、話を聞き、実際にヒデさんが体験する。
この旅が終わる頃には、どれだけ彼の引き出しは増えているのだろうか、と羨ましくもある。けどそれはやりようによっては僕も同じはず。
旅をするとは学ぶ事。モノや手法に新しいも古いも関係ない。
大切なのは、実際に身近で感じる事。それが旅の醍醐味なのかもしれない。