2008.04.15
初めの一歩!!
現役を引退してから約二年、世界中のいろんな場所を旅した。特にあてがあるわけでもなく、まさにただ気の向くままに……。本当に沢山の新しい経験、そして発見があった。時として、そこには自分の価値観と全く逆の事があったり、理解できないこともあった。そうした経験を何度かしていくうちに、自分の価値観や経験則を“そこ”に当てはめるのではなく、そこの文化、考え方を自分が受け入れなければならないということを痛感した。
その一方で普遍的なものもあった。それがサッカーだった。世界中のあらゆる場所に行っても、サッカーのルールは変わらず、ボールを追いかける人達の顔は輝いていた。言葉がまったく通じず、お互いを理解するのさえ難しいような国もあった。でも、ひとつのボールを蹴る事で、お互いの理解が深まることが多くあった。そのとき、サッカーというスポーツは、お互いを理解し合える“言葉”になり得ることを実感した。
今回、一番最初に旅を始めるときに唯一決めいていたこと。それは、可能な限り、その国、都市の“光と影”を見ること。世界中の、良いHotel、良いレストラン、良いリゾートにはもちろん行きたい。が、それと同時にそれぞれの国で、現地の人はどんな生活を送り、そして彼らがどんな問題を抱えているのか、それも見たいと思っていた。“光と影”、その両方を見ることで、その国の“現在”が何となく分かる気がしたから……。そして、その様々な国の“現在”を並べていくことで、地球の“現在”が何となく分かる気がしてきた。さらに言えば、その地球の現在での、自分の役割が分かるような気がした。
この長い一連の旅で、一番強く印象に残っているのは、“笑顔”!! Hotelで出会った笑顔、道端で出会った笑顔、孤児院で出会った笑顔、難民キャンプで出会った笑顔。どんな厳しい環境であっても、笑顔が無い場所はなかった。もちろん、だからといってそこに住む人々の生活が楽だとは決して思わない。
泥水が流れる川の水を飲み、料理をする人々。川上では、人々が食器を洗い、身体を洗い、子供達は水遊びをし、トイレとしても使われている。水道もなければ電気もない、冷房も暖房もない、交通手段もない村で暮らす人々。バケツ一杯の水を手に入れるために、毎日数時間も山道を上り下りしている女性達。その環境をどうにかして欲しいと、数十年ひたすら政府に訴え続けている市民たち。紛争のために自国から逃れ、未だに難民キャンプから出られるのかさえ分からない人々。
環境破壊が深刻と伝えられた場所では、食糧難や水不足が顕著でもあるから、そこで生きる人々は環境など考えている余裕もない。温暖化が深刻と伝えられた場所で生きる人々は、意外にも、大きな変化も、問題も感じていないこともあった。報道で知る現実は確かに貴重だけど、すべてではない。断面しか伝えられないこともある。
そういえば報道される側の一人として、なぜ全てが伝えられないのか、と思い悩むことも少なくなかった。そんな想像以上の現実に圧倒される一方で、貧困や戦禍など、大きな問題に直面している人たちが、必ずしも、うつむいて生きているだけではないことも知っ た。いや、むしろそこには笑顔があり、僕ら以上に、人に対する優しさがあった。そして、そこに人の強さを感じた。
訪れた街では多くの友人ができた。その瞬間から、その目の前にある問題は、自分とはかけ離れた遠い国の話ではなく、身近な友達を苛む問題になった。ほんの少しでいい、自分に笑顔を見せてくれる友達の役に立ちたい。それが第一歩だった。そして、彼らの目の前で起こっている問題を、知れば知るほど、この世界に起きている問題は、お互いが複雑に絡み合っている事を知った。一方を解決すれば、もう一方を犠牲にするような現実も多い。
完璧な答えは簡単には出ない。しかし、逆に駄目な答えもないのだと思った。そして今、思うことは、少しでも多くの人が地球上で起きていることにも少しでも“目を向けること”
そして何かできること“ひとつ”することで、それらの問題を少しずつでも変えられる、そして世界中で“笑顔”をより増やせるのではないかということだ。その“ひとつ”は、難しい何かである必要はない。今すぐ“できることひとつ”で良いんだと思う。余裕がなければ、無理をする必要はないし、生き方を変える必要もない。
自分が幸せでないと感じたら、まず自分の幸せに対して懸命になればいいと思う。何かをすることが、誰かに評価されるためではなく、自分のためなんだと思えることが重要なんだと思う。
そして今回、俺は自分にできることのひとつとして、“TAKE ACTION! 2008 +1キャンペーン”と題して、サッカーの試合や、みんなの声を集める短冊のキャンペーンをやることを決めた。詳しい内容は、別途HPを作ったのでそちらを見て欲しい。今日は、これからその記者発表をするけども、やはりみんなにはちょっとでも先に知らせたかったので、mailしました。
ちなみに、今日をもって、nakata.commude.site/wnakatanetp/ 自体もその運営に使用されるすべての電力を、地熱や風力などのグリーン電力でまかなうことを始めました。これらがどれだけの効果を生むのかは分からないけれども、ともかく“なにかできること、ひとつ。”!! じゃあ、みんなの参加を楽しみにしています!!