2008.02.28
アフリカの日々…パート1
みんなは“アフリカ”と聞いて何をイメージするかな?お腹をふくらませた子供とか食べ物もなく蝿が飛び回っているような貧困?ルワンダの虐殺やスーダンやコンゴのような紛争?それとも、HIV/AIDSやエボラ出血熱のような病気?はたまた犯罪が多いというような危険?大多数の人は、あまり“良い”イメージを持っていないんじゃないかな?
俺も正直、アフリカに行く前は、いろんな人から様々なことを聞かされた。その大多数はもちろんのこと“ポジティブ”な話ではなかった。ただ、すでに俺は中東の国も数カ国行ったことが、その際も、聞いていた話と、実際の現地での様子は全く違い、非常に楽しい思いも出来た。そんな経験をしているので、人から聞く情報だけで、ネガティブな先入観を持つことはなかった。
アフリカには今まで、チュニジア、リビア、モロッコ、ケニアに行ったことがあった。もちろんそのほとんどの目的はサッカーの試合。唯一、ケニアだけが半分仕事&半分遊び(IXYのCMを覚えている人もいるかもしれないけど)で行った。要は、アフリカは俺にとって全くと言っていい未開の地だった。
そんな中で今回のアフリカの旅が始まった!!まずは、ガーナから。ガーナ行きを決めた理由は、もちろんガーナには行ったことがなかったという事もあるが、今回はちょうどその時期にアフリカ選手権がやっていたから。それは単に試合を見に行くと言うことではなくて、アフリカでのサッカーの大きさを認識することと、この時期にUNICEFや他のNGOなどが、サッカーを通じての活動(HIV/AIDSの教育など)を色々とやっているというので、そのプログラムを見に行くことだった。
俺はこうやって世界中を旅をしながら、本当にどんな国でも、サッカーというスポーツが愛されている事を、この目で見てきた。そして、ちっぽけな自分の名前も、顔も、サッカーをやっていたというだけで、多くの人に知ってもらっている事実も体感した。これだけ世界中で人気がある“サッカー”というスポーツを通じてなら、やる方も観る方も楽しめて、さらに自分も、他の人も、しいては世の中のプラスになるような、そんな仕事が出来るんじゃないかと思うようになってきた。サッカーには人の命を直接的に救うような力はないと思う。しかし、世界中でこれだけ子供から大人まで幅広い層に愛されているスポーツは他にはない。教育や、健康、環境や貧困問題、平和問題や、政治に興味がない人たちでも、サッカーには興味があり、サッカーを通じて、楽しくそれに興味を持ってもらうような方法があるのではないか、またはサッカーを勝敗だけのスポーツではなく、楽しくやることによって、または楽しみながら観る事によって、それが間接的に何かの助けになるような、そんな仕掛けや仕組みが作れるのではないか……そんなことを最近考え始めた。
そんな中でのこのガーナの旅だった。このアフリカ選手権の時期、そういった活動を実際にやっている人たちが結構いるという事を聞いて、それを見ることをメインでガーナにやって来た。さすがにアフリカ選手権がやっている時期なだけに、どこのHotelも一杯だった。俺がメインで泊まったのは、首都の AccraにあるLabadi Beach Hotel。ここには日本の前々首相の小泉さんも来たらしく、写真が貼ってあった。ガーナは英語がどこでも通じる。そういえば、Parmaで一緒にやった Appiaがガーナ出身で、英語は達者だったな~。彼は今ではジーコが監督のチーム、フェネルバフチェで頑張っていて、もちろんガーナ代表の顔。しかし、残念ながら今は怪我をしていて、今回のアフリカ選手権には出られないらしかった。でも、彼の人気は絶大で、試合には出られないがチームを鼓舞するためにガーナにはいるとのことだった。どこかで連絡が取れればいいな……。
ガーナに着いた初日、その日にガーナの予選最終戦があった。スタジアムに到着すると、スタジアムの周りからしてお祭り騒ぎ。チケットが手に入らなくても、スタジアムの周りで騒いでいる人たちが多く、これぞアフリカ!!といわんばかりの雰囲気を初日にして味わった。それだけでも結構凄かったのに、モロッコとの試合に勝利を収め、グループリーグ突破を決めた後はさらに凄かった。アフリカンパワーの一端を見た気がした……。でも、その驚きも準々決勝のナイジェリア戦の比ではなかった。
どうやら、ナイジェリアとガーナはあまり仲が良くないらしく、試合前から異常な熱気が会場を包んでいた。試合は、ナイジェリアが先制。が、ガーナが1人退場者を出しながらも、前半のロスタイムで追いつき、さらには後半の最後で逆転したときには、グラウンド内になだれ込むかのような盛り上がりを見せた。俺は、最後までいたらHotelに戻れないと思い、試合終了5分ほど前にスタジアムを後にしたほど。それでも、ちょうど車に乗り込んだときに勝利の笛が鳴り、街は異常な騒ぎになった。人々は道の真ん中までなだれ込み、踊り狂いながら騒いでいた。俺が乗った車も、途中途中で騒いでいる人たちに止められてしまう始末。でも、幸い早めに出たためにその回数が少なく比較的スムースにHotelに戻れたが、試合終了までいたら、Hotelまで無事に付けたか心配なほどだった(苦笑)。アフリカでのサッカーの大きさを見た気がした。
さて今回の目的である“サッカーを通じての活動”は、UNICEF UKに勤める俺の友達や、日本のUNICEF、さらには日本のUNDP(国連開発計画)、JICAなどに協力してもらいいろいろと見ることが出来た。 HIV/AIDSの仕組みをサッカーを通じて教える活動だったり、ラジオを使ってアフリカ選手権の話をしている中に、UNICEFがこの大会中にやっている活動を伝えたり(なんと俺もラジオに出た)、JICAがやっている学校単位でのドラマ(ガーナではドラマが大人気)やサッカーを通じたHIV/AIDS の活動を見たりした。
他には、マンチェスターユナイテッドのスカウトがやっている“Right To Dream”というサッカースクールも見た。ここは、全国からサッカーが優秀でなおかつ家庭環境で問題があるような子供を集めてサッカーも教えながら、授業もしているという。俺がビックリしたのはサッカーの技術や戦術の理解度が高いこともそうだが、何よりもその人間性だった。練習後にみんなを集めて Q&Aなどをやったが、これだけ素直で真面目な子供達を見たのは初めて、というくらい素晴らしかった。このアカデミーから卒業生は、イギリスでプロ契約した選手もいるし、例えプロになれなくても、みんなが何かしらちゃんとした職に就くという。それくらい、人間の教育にも力を入れているとのことだった。
今回のガーナ滞在中には、“思いがけない”人物にあった。最初会ったときには、一瞬目を疑ったくらい(だって、周りはすべて黒人だから一瞬似た人かと思った…苦笑)。その人物はというと、……エムボマ!!あの浪速の黒豹!!彼は今では現役を引退して、選手のエージェントになっているとのことだった。でも、あのたくましい肉体は健在だった。一方、Appiaとは結局、電話で話をしたものの会う機会はなかった。本当は1度、夜中に遊びに連れて行ってくれると言われたけど、その日は疲れていて……(苦笑)。ガーナのクラブにも興味はあったけどね~。
結局ガーナには1週間いたけど、本当に毎日バタバタして忙しかった。そして、そのガーナから次にどこに飛んだかというと、なんと遠く離れた NY!!何でそんなところに飛んでいったかというと、2月6日にNYのUN(国連)本部で、GucciとUNICEFがアフリカにあるマラウイという国の為に行うPartyがあり、それに参加するため。というのも、俺も今後、こういったPartyを企画したいなと思っていることもあり、それを実際に見てみたかったのと、さらにはこのPartyでスピーチをする予定だったコロンビア大学のJeffrey D. Sachsという教授に会いたかったから。この人物は、コロンビア大学のEarth Instituteという研究所のトップで、Millenium Village Projectというミレニアム開発目標(MDG’s)を推進していくプロジェクトのメイン人物でもある。1月の頭に、教授が所属するコロンビア大学のチームの人たちに、NYで、いろんなレクチャーをして頂いたのだが、残念ながらこの時には、この教授には会えなかったので、このGucciのPartyで会って実際に話をしたかった。その後、ルワンダで実際にMillenium Villageを 見に行く予定になっていたからね……。
それにしても、凄かったね、このGucciとUNICEFのPartyは……。何よりもまずは会場に来ていた人が凄い!!主催者の1人であったマドンナはもとより(娘も来ていたけど、かなり大きくなっていた)、トム・クルーズやケイティ・ホームズ、グウィネス・パルトロウやルーシー・リュウ、グウェン・ステファニーやサルマ・ハヤック等々挙げ始めたらきりがないくらい。もちろん、ファッション関係者も多数来ていた。さらには、Partyの最後にはアリシア・キース、ネリー・フルタード、ティンバーランド、リアナなどがそれぞれ2,3曲ずつ歌うパフォーマンス付き!!
さてこのParty、何のためのPartyかというと、マラウイという国のHIV/AIDSに感染した子供達の為だった。多分、マドンナが子供をアダプトした関係もあるんだろうな。マラウイかららしき子供たちが歌や踊りのパフォーマンスをしたのには非常に心が温まった。しかしこの夜、一つだけの俺の心に引っかかったものがあった。それは、こういったイベントにつきものの現地の映像。どうして、こういった映像では現地の人が苦しんでいる姿や、寂しそうな姿ばかりを映すんだろう?毎日のニュースでも、そういった人々が苦しんでいる映像は嫌というほど見ている。もちろん現実を見ることも必要。ただそれよりも、こういう厳しい状況があるけれど、彼らにも、彼らの国にも大きな可能性がある。そして、こういった助けがあると、彼らはこれだけ元気になれる。楽しめる、というようなポジティブな映像を僕は見たいと思う。やはり、悲しい人よりも、幸せそうな人を見る方が嬉しいし、記憶に残る。今回アフリカを旅していて1番思ったのがやはりこの部分だった。確かにアフリカにはものすごく厳しい現実がある。でも、それ以上に“強い”人々がいた。それ以上に大きな“可能性”も感じた。ネガティブだけではない、もっとそういったポジティブな部分もクローズアップして、アフリカの“良い部分”を伸ばすような情報を流して欲しいと思った……。
Partyの帰りがけに、久し振りにグウェン・ステファニーの旦那のギャビンにあった。彼はイギリス人でサッカーが好き。そんなこともあって、以前LAに遊びに行っていたときに知り合いを通じて仲良くなっていた。この日は久し振りの再会だった。俺が、BABY誕生おめでとう~なんて言うと、ギャビンは、実は2人目が……と。これにはさすがにビックリした。でも、グウェン・ステファニーとこの夜も仲むつまじくしている姿を見ていると、凄く幸せそうだった。といっても、俺は自分の子供は要らないなあ~。ははは……。
あっ、忘れていたけど、Partyの目的だったコロンビア大学のJeffrey D. Sachs教授には無事に会って、しっかり話が出来ました……。そんなわけで、この楽しい一夜を過ごし、次の日にはまたアフリカの大地へと飛びだったのでした……。ちゃんちゃん。
To Be Continued …..