2002.06.16

6月14日 第3戦目 vs Tunisia

一次予選のすべての試合が終わり、ベスト16が決定した。

フランス、アルゼンチン、ポルトガルのような強豪が敗退していく中で、ブラジル、スペインは危なげない試合運びで決勝トーナメント進出を決めた。

イタリアは予選最後の試合、メキシコ相手に苦戦をしながらも、最後の最後でALEX(DELPIERO)が同点ゴールを決め、なんとか決勝トーナメント進出。なかなか試合の出場チャンスがない中での“結果”は、彼の心境が分かるだけに俺も非常に嬉しかった。

 

そして日本!! これについては、話をするまでもないかな。

昨日のチュニジア戦を2-0という結果で勝利を収め、見事予選を1位通過で決勝トーナメント進出を決めた!!

そして、World Cupの共催相手である韓国もポルトガル相手に見事1-0で勝利を収め、予選を日本と同じく1位通過で決勝トーナメントへ進出を決めた。このことは、俺にとっても非常に嬉しく、ある意味誇らしく思った。

この開催国2国がともに予選1位で決勝トーナメントを決めたということは、このWorld Cupを大成功させるためにも、非常に大きいと思う。

 

さて、チュニジア戦!!

予選第2試合のロシア戦後、日本はリーグで1位に立ったことによってこの第3戦目であるチュニジア戦は最低限、1点差の負けまではリーグ突破できるという状況であった。でも、俺達選手はもちろん、スタッフも含めて誰一人として勝利以外での予選通過を考えていなかった。

チュニジアは、アフリカの選手特有の身体能力の高さと、さらにはチュニジア独特のパスワークを武器に日本にとっては非常にやりにくい相手ではと試合前は予想していた。がしかし、この予選2試合での戦い方を実行すれば必ず勝てると信じ、特に戦術は変えずに試合に臨んだのだった。

 

前半、チュニジアはボールを失った時点で自陣へとすぐに引き日本の攻撃を待ち、そこからボールを奪った時点での速攻を狙う戦術をとってきた。

日本はこれまでの2戦と変わらない戦術をとったのだが、何かが違った。

 

それは何か。

それは、今までの試合と開始時間が違うということだった。

今までの2戦の開始時間は、18:00、20:30と比較的遅い時間でのスタートであり、気温もこのチュニジア戦よりもずっと低かったはずである。

それが、この試合では15:30の試合開始ということと、大阪での試合ということもあり、三十度を超える暑さの中での試合となった。

この暑さ、それに加え、ここまでの疲れか、日本は今までのチームとまったく違うチームになったかのように選手が動けなかった。

その結果、前線では効果的な攻撃ができず、中盤ではボールを奪われる機会が増え、ディフェンスラインではボールを持てるものの効果的なパス回しができなかった。要は、日本が圧倒的にボールをキープしていたように見えて、実は持たせられていたのである。攻め手がなかったってことだよね。

 

さて、こういう時に攻撃方法は、と……。

流れの中で日本の良い形ができたのは、FWにボールが入った時に、それをFWがダイレクトでMFに落としサイドに散らしたときだったよね。

これはDFでのボール回しにもいえたことなんだけど、このように相手に引かれた時に重要なのは相手のタイミングを崩す、ということ。そのためにはどこかで一度(もしくはそれ以上)ダイレクトパスを使うことだったんだよね。日本はそれができなかったために攻撃に苦労し、パスの出しどころがなく最後には相手に奪われる、という場面が出てきてしまったのであ~~~る。しかし、前半で重要だったのは、相手に得点を許さなかったところ。これが後半にも生きてくるのである。

 

前半は日本がこれほど疲れている中でチュニジアは結構走れていて、後半もこれが続いたらかなり苦しいな~と思っていたところ、こっちが拍子抜けするほど後半開始早々からチュニジアの足はバタッと止まった。

そして、日が陰り始め風が出てきたこともあって日本も前半よりも動きは良くなってきた。その中で、監督トルシエが早くも動いた。

FWの柳に代えてモリシを、そしてMFの稲に代えてサイドにいた明を真ん中へずらし、その空いたところへ市が投入された。

これが後半そうそうにズバリ!! という形になった。市がサイドを駆け上がることによって相手がサイドへ引き出され、その結果真ん中にスペースがあくことに……。早速そこへ俺がパスを送り込み相手がクリアーミスをしたところに、モリシ!! 本当にモリシはいつも、何でそんなところに? っていうところにいるよね。しかも、このシュートは腰が良く切れていてキーパーにはどうすることもできなかった。この後半そうそうの得点によって、日本は完全に生き返り、今度は前半とは違い自分達の意思によってボールをキープできることになった。

 

そして、チュニジアにとっては次の1点を取ればまだ行けるという状況であり、日本にとっては2点目を取れば試合がほぼ決まるという状況だった中、待望の俺のゴ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ル!! 自分としては、今大会が始まってから調子も良かったんだけれど、シュートチャンスになかなか決められずロシア戦ではバーに嫌われるというシュートもあったよね。だけれど、いつかは入るだろうくらいな気持ちだったんだよね。でも、実際にHPに届くMailには、やはり得点を望む人が多くて、ちょっと寂しい気持ちになっていたところだったんだ。そういうことも含めてこの得点には個人的に嬉しかったけども、それ以上にこの絶対に勝って1位で予選通過を決めたかったチュニジア戦で“試合を決める”という意味でいえば、それ以上に嬉しかった。ゴールした時はヘディングをした後に相手の足が唇に当たりちょっと切れたために、なんか変な喜び方になっちゃった。

 

試合はそのまま2-0で終了!!

一見簡単な試合だったように見えるが、実は非常に厳しい試合だったと思う。

その中でしっかりと2点を取り、相手を0点で抑えきったというのは、今後の決勝トーナメントに大きな自信と力になると思う。

ただちょっと心配だったのは、余裕を持ってパスをまわすのはいいのだが、今まで簡単に蹴りだしていた自陣のゴール前でパスをつないで慌てる場面がいくつかあったこと。自信を持つことと、状況判断を間違えるのは違うことだからね!!

これは間違えないようにしないと……。

 

ともかく、この結果で開催国として最低限の目標といわれてきた“予選突破”をしかも1位で決めることができた!!

そして、ここからの決勝トーナメントこそが、選手個人個人がより個性を出し今までの戦術にプラスアルファを加えていくところだと思うし、そうしなければ勝てないと思う。それによって、選手それぞれもより楽しめ、見ている方も楽しめ、結果も出ていくのではないか、と俺は強く思う!!

そして、ここまできたら失うものもないし、悔いのないようにどんどんチャレンジしてやっていきたいと思う!!

 

最後に一言。

大阪での試合後、スタジアムから新大阪の駅に向かうために高速の乗り口に向かったのだけども、その長い距離すべてをたくさんの人々が埋め尽くし手を振ってくれるのを見ていたら、異常に感動した。まるで、駅伝でも走っているかの光景だったけど、その人の多さは本当に比較にならないほどすごかった。本当にありがとう!!