2006.03.10

日本代表の方向性

何とかロスタイムで追いついて、2-2の同点で終えた先日のBosnia戦。負けなかったから良かったのか?それとも、勝てなかったから駄目なのか?いったいこの試合で、日本代表は何を試して何を得たのだろうか?

 

この“その試合での目的”に対する疑問は、特にここ最近の数試合で俺の頭の中に繰り返し浮かび上がってくる。WCでの対戦国に似た国と勝負して、勝利を得ることにより、強い自信につながることに意義を感じているのか、それとも自分達の中で試したい事(戦術だったりコンビネーションだったり)があって、それをやるためにやるのか。要は相手との勝負にこだわるのか、それとも自分達の中での戦い(チームとしての完成度)にこだわるのか。

 

俺個人としては、今の段階では正直そこまで勝負にはこだわっていない。別に負けてもいいとは思わないけども、勝つため“だけ”に内容を軽視したサッカーを、この時期にやる必要は無いと思っている。じゃあ、実際今の日本代表がどんなサッカーをやっているかというと、勝つためだけにがむしゃらにやっているようにも感じないし、かと言って、また何か新しい事を試しているという感じもしない。要は大切な戦いに向けて、前進している感じがしない。ここで書いた11月の代表戦の後のmailを改めて読んで、まったく同じ点を3ヶ月たった今でも同じように問題に思っている事が、それを物語っていると思う。

 

日本代表の最大の長所でもあり“短所”でもあるパスワーク。今回のBosnia戦の後半でも顕著に現れていたように、相手に高い位置からプレッシャーをかけられるとなかなかボールを上手くつなぐ事ができないどころか、その中でも中途半端にパスをつなごうとして逆にピンチを迎える事もしばしば。これは今回に限った事ではなく、これまでもしばしばあったこと。

こういった高いプレッシャーをかけてくる相手には、ロングボールを使って相手のDFラインの裏を突くのが有効。結果相手は、下がらざるを得なくなり全体のプレッシャーが下がるか、または中盤にスペースが出来てくる。そうすると、日本の長所のパスワークをさらに有効に使う事が出来る。

しかし、日本代表は“パスワークをすること”に固執するかのようにどんな状況でもパスをつなごうとしてしまう。

 

違った意味で同じようなサッカーをするのが、Bolton。Boltonの最大の長所でもあり短所でもあるのが、相手の裏を狙ったロングボール。

Bolton は前線からプレッシャーをかけるのが得意で、さらにはヘディングの強い選手をそろえるだけに、たったロングボール1本でチャンスを作ってしまう。というのも、味方がヘディングで勝てばそのこぼれを狙って即シュートにつながるし、相手がこぼれを取ったとしてもタッチラインに蹴り出させるように即プレッシャーをかける。そしてそこからのロングスローで即ゴール前。

がしかし、反対にプレッシャーが無くとも(どんな状況でも)それをしてしまう事もあり、相手がこちらのロングボールを待ってこぼれ球を拾うのに人数を掛けそこから上手くかわされることが多くなったり、相手のほうがヘディングが強かったりする時には逆になかなか攻められなくなり、劣勢になる事が多い。

やはり、ここでも何でもかんでもロングボールを使うのではなくて、相手のプレッシャーが少ないならばきちんとパスをつなぐ事によって相手を前に誘い出すことが出来、ロングボールがさらに有効になる。

 

日本代表もBoltonも長所を有効に使うのはいいけれども、それに固執しすぎるところがたまにある。やはり、長所を“さらに”有効に使うための他の手段(日本代表はロングボールだったりBoltonはパスワークだったり)をもっと上手く使わないと、もう一歩先には進めないと思う。

ここまで書いた上で、さらに言うと、日本代表はこれ以外に、もっと根本のところで大きな問題を抱えていると思う。がしかし、それをここで書くとそれこそ大問題にされかねないから書かないが、1つだけ。

 

「選手達はこれからWC本番までの3ヶ月、いったい何を目的に練習や試合をやっていくのだろうか? WCの代表選手に選ばれる為?自分自身が代表で良いプレーをする為?それとも、WCで勝つ為?」

 

 

 

p.s.

BarcelonaがChelseaに勝ち準々決勝に進出した。そのBarcelonaのサッカーを見ていると、どれだけ基本が大事かを思い知らせてくれる。彼らがやっていることの大部分は本当に単純な事。

 

1、パス&ゴー

2、1つのボールに対して2つ以上のパスコースを確保する周りのフォローの動き

3、確実なツータッチ(ワンタッチ目でコントロールし、ツータッチ目でパス)

 

たったこれだけのことをより正確に、そして出来る限り早くやっている。

これらの事は小さい頃から繰り返し監督・コーチから言われること。だけれども、大きくなるにつれて忘れていってしまうのか、多くの人がやらなくなってしまう(出来なくなるのではなくて)。

Barcelona の選手達は、本当にこれらの事をハイレベルでやっている。それがあのすばらしいサッカーを生んでいるんだと思う。そして、もう1つ加えるとしたら彼らの多くは足の裏でのトラップを良く使う(上手いと思われる選手はよく使っている)。これは一見簡単なように見えてなかなかタイミングがとりづらかったりする。でも、小さい頃から練習する価値はあると思う。にしても、日本チームのパス回しもあれくらいになるようにしないとな~。