2005.08.15

イタリア発 → イギリス着

1998年に日本を離れイタリアに渡ってから、気が付けば既に7年という歳月が経った。その間には、最終節までもつれ込む残留争いも、スクデットを争う優勝争いも、経験した。そしてその間にプレーをしたチーム数も5にのぼる。

そのおかげで、世界中から集まった多くの素晴らしい選手と同じピッチでプレーする経験を得たし、今ではセリエAのほとんどの選手やコーチ陣も分かるようになった。この7年、良い思い出も苦い思い出もあるが、この国で出会った人、見たもの、感じた事、その全てが自分を成長させてくれる最高の経験になった。

 

がしかし、裏を返せばそれだけ知ってしまうと、逆に新鮮な刺激が年々少なくなって来たのも事実。

確かにセリエAは世界でも有数の難しいリーグだと思うし、何年やっても“簡単”だと思えることはないと思う。だけども、やはり年数を重ねることによって残念ながらそこから受ける刺激も少なくなってきた。私生活の面においても、日本に帰る時よりも、イタリアに戻ってくる時の方が、家に帰ってきた、という感じがするくらい慣れ親しんできた。言葉の問題も今ではほとんど無くなり、生活習慣にもなれ、友達も多く出来た。そう、まるで自分が生まれ育った国かのように…。

ただその分、私生活においても新しい刺激は少なくなってきた。

 

そんなこともあって、正直なところここ数年は、違う国で、違うリーグでプレーをしてみたい、と思う事がしばしばあった。ただ、そう思ったからといってすぐに実行出来るわけではないのがこのサッカーの世界。自分の希望もあれば、チーム間の条件面での問題もある。今年そんな中、それらを全てクリアーするチームが名乗りを上げた。

 

Bolton Wanderers!!

 

英国(イギリス)のプレミアリーグで活躍するチームで、ここ数年コンスタントに成績を上げてきて、昨年はとうとう6位という成績を収め、今年はUEFA CUPにも出場する強豪となってきた。

 

英国での俺の試合経験は本当に少ない。UEFA CUPや練習試合を含めても、5回も超えた事はないと思う。

ただ、その少ない経験からでも感じたのは、まずはそのスタジアムの素晴らしさ。観客席とグラウンドが目と鼻の先で、選手と観客が本当に一体といった感じを得る事が出来る。そしてその観客の試合を観戦する姿勢の良さ。闇雲に相手には野次を飛ばし味方には応援をする、ということではなくて良いプレーには敵味方関係なく拍手をし、悪いプレーにはブーイングをする。本当の意味でのスポーツマンシップを感じる。

他にもいろんな話を英国での経験がある選手から聞くにつれて、何よりもそのサッカーを取り囲む環境の素晴らしさには前々から大きな魅力を感じていた。

 

という事で、そんなすべてのタイミングや条件が重なり合い、この度、このBolton WanderersにFiorentinaから移籍をする事を決めました!!

 

本当はもっと早く報告をしたかったんだけども、英国への移籍は両チーム間の条件面での合意があった後に、メディカルチェック、そして労働ビザの問題がある。メディカルチェックは選手の体に問題があるかどうかを調べるものだが、通常他の国ではシーズン前のテスト的な感じでやる事が多いのだが、英国では他の国のそれよりもかなり細かくチェックをする。実際、そのために契約前にそのチームを訪れてもろもろのチェックをする。俺も実際、数日前にチームを訪れてもろもろの検査をした(体力テストも含めて)。

そして、労働ビザは比較的すぐに取れたんだけども、メディカルチェックの報告がちょっと長引いたんだ。それで、本来ならば英国に来た時点で移籍の報告が出来ればよかったんだけど、メディカルチェックの結果を待っていたために今まで長引いてしまったというわけ。やはり、中途半端で報告はしたくなかったからね。

 

ところで、その検査の為にチームを訪れた時にビックリした事が1つ。それは、クラブハウスの素晴らしさ。最近リニューアルしたばかりだというそのクラブハウスは、俺がこれまで所属したどのクラブチームのものよりも素晴らしかった(外見はそれほどでもないけども、中は素晴らしい)。スタッフも非常に多く本当に選手を大切にしているというのを感じた。選手とも会う機会があり数人は代表の試合であったこともあり、気軽に話もする事が出来た。契約前にこうやってクラブハウスを訪れる事が出来たのは本当に良かったし素晴らしい印象を受けた。

 

ともかく、これですべて準備万端!!あとは自分のコンディションを出来るだけ早くあげて試合を目指すのみ!!

プレミアリーグは先週の土曜日に開幕したが、俺のコンディションはセリエAの開幕(プレミアの約2週間後)にあわせてやっていたために、まだまだ上げなければならない状態。この間のBoltonの開幕戦(対 AstonVilla)も見に行ったし、すぐにでも試合に出たいところだけどもここは焦らずしっかりと準備をしないと。焦って怪我をしたら元も子もないからね。がしかし、今はすべてが楽しみ。もちろん簡単に行かないことも出てくるだろうけど、それも含めてすべてが良い刺激になると思う。今はただやるのみ…。

 

イタリアで過ごした7年間という歳月は、俺を人間として、そして選手として成長させてくれた。…と思う。これまでこの国でお世話になった人々には、いくら感謝しても感謝しきれない。この気持ちは、ここ英国で良い結果を出す事で、みんなに伝えられるよう、頑張りたいと思う。

 

まっそんなわけで、今年はみんな一緒に英語を勉強しよー(笑)!!