2010.07.05
HIDE’S REPORT Vol.4 「日本戦総括」
日本戦総括
2010年6月29日、日本代表はW杯準々決勝進出をかけてパラグアイと戦い、0対0の結果、PK戦で負けた。W杯敗退が決まったときに僕の頭をよぎったのは、2002年6月18日にまた同じくW杯準々決勝をかけて戦ったトルコに負けた事だった。
対パラグアイ戦は、0対0のまま延長まで120分間戦い抜いた後、PK戦で敗れた。1次リーグを勝ちぬき、今日も南米3位の強豪相手に互角以上の戦いをした選手、そして監督の頑張りは本当に素晴らしかったと思うし、多くの人々に感動を与えたに違いない。チームとしてのまとまりも素晴らしかった。しかし、それでも今日の試合、勝ち抜くことができなかった。正直言って、実力的には日本が上だったと思う。がしかし、終始、試合を握っていたのはパラグアイで、言うなれば120分間パラグアイに守りきられてしまった。
1対1の個人技でも負けてなかった。FKからのチャンスも日本の方が多かったと思う。走った距離も日本の方が多いだろう。惜しいシーンも何度かあった。やればできるのだ。その力は間違いなくある。しかし、今日の試合、日本には相手の攻撃を“受ける“姿勢から試合に入ってしまった。そして、その姿勢はほぼ試合全体を通して現れていた。そう、日本はチャレンジして攻撃していくべきだったのに、まず負けない戦い、守りに入ってしまった。これがすべてだと思う。
確かに相手の守りは堅かったし、パラグアイの武器であるカウンターが怖かったというのは分かる。しかし、日本の方が実力は上なのである。だからこそ、リスクをおかしてでもチャレンジングに攻め上がる日本を見せてほしかった。パラグアイの方が経験があり、試合巧者なのは分かっていたこと。慎重にいきすぎた為に、相手のペースに引き込まれ、自分達の実力を出し切れないまま終わってしまった様に思えて、本当に残念だ。
決勝トーナメントの他の試合を観ていて思うのだが、やはり守りだけではこの先は勝ち上がっていけない。ブラジル、アルゼンチン、ドイツと強いと思えるチームはここに来て、3点4点と得点を重ねている。日本は1次リーグを通して大きな成長を見せた。守備的な布陣でほとんど点を取られることなく、1次リーグ勝ちぬけという結果を得ることができた。守備の連携は大会を通して素晴らしく、世界に対して、対戦するのにイヤなチームだというメッセージを送ったと思う。ただ、怖いチーム、強いチームになれたかというと、やはり疑問が残る。
デンマーク戦では1点を取ったあとも果敢に攻め上がっていた。オランダ戦でも、相手に得点を許してから、相手を脅かす攻撃を繰りひろげた。僕は今日の試合ではあの攻撃を開始直後から見たいと思っていた。それが、この試合を勝ち抜く最重要ポイントだと思ったし、また日本のサッカーの未来につながると思った。やはり、サッカーは得点を取らないと勝てないスポーツなのだ。そして、日本は自分達が思っているよりも、ずっと攻撃力がある。しかし残念ながら、今日の試合では持っている力のすべてを出し切っているように思えなかった。日本が100パーセントの力を出していれば、90分間で十分勝てた試合だと思う。それだけに残念な気持ちが大きい。
もう少し自分たちの力を信じてもよかったのではないだろうか。最初から自分たちのサッカーを展開していれば、のらりくらりとかわすだけのパラグアイを攻略できたのではないだろうか。今日の敗戦は、自分達の力を信じ切られなかった“自分達”に負けたのではないだろうか。2002年、トルコ戦に負けたときに思ったのは、自分達の力を出し切らずに負けたのでは、と思ったことだった。
日本にとって2010年のW杯はこれで終わりとなったが、日本のサッカーが終わるわけではない。4年後も8年後もそれから先も間違いなくW杯はやってくる。今日の敗戦、そして今回のW杯を「頑張った、惜しかった」だけで終わらせてしまってはならない。今後の日本のサッカーをしっかりと見直すいいチャンスにしなければならない。次へ積み重ねていかなければならない。この悔しさを次にどう繋げていくべきなのか、もう一度みんなで考えるべきときなのではないだろうか。