2010.05.27

京都日記中編2

3日目。朝は5時起きで伏見稲荷大社へ。
“お稲荷さん”と言われると非常に身近な感じがすると思うがそれもそのはず、全国に3万社もあるらしい。ここは、その総本山。
 
この旅でも、鳥取県の津和野町の太鼓谷稲成神社に行っているのだけど、“稲荷神社”という響きが何故か僕をソワソワさせていた。
そう、思い出すのは鳥居が幾重にも連なる何百段にも及ぶ階段・・・。
ただ今回は全くそういう話は事前に聞いていなかった。次の予定もあり、そう長居も出来ないだろうし・・・。
到着して、ご担当して頂いた方といつも通りに話を始めるヒデさん。歩きながらの会話でハッキリとは聞こえてこない。
ただ、話の端々から、「お山の上には・・・」などの会話が聞こえてくる。
どうやら、稲荷山の上まで標高200m以上の山詣の道があるらしい。
 
ヒデさんが時間はどのくらいかかりますか?と尋ねる。
「一般には、往復2時間ほどとお答えしております。」
そうか、2時間か。あぁ、残念だ。次の予定に遅れてしまう。折角来たのに、非常に勿体ない。本当に登りたかった・・・とホッと胸を撫で下ろしていると、ヒデさんが振り返って言った。
「じゃぁ俺らなら1時間ちょっとで行けるよな!?よし、行くか!」
この人は、どうしてこうも自分(僕ら?)を追い込むのが好きなのだろうか・・・とたまに思う事があるのだけど、この日ほど強く思った事はない。
 
この日は東京からヒデさんのチーフマネージャーさんが来ていた。開始早々からヒデさんはちょっとペースを早めているのがわかった。
我々も撮影しながらなので、彼の背中を必死に追う。途中からやはり太ももに張りを感じ始めた。ただ、奈良の大峰山での修行のおかげか、あれよりキツいものはないという安心感からか、体がやけに軽く感じた。
ただ、旅ダッシュに慣れていないチーフマネージャーさんの表情が辛そうだ。登り始め15分辺りから既に口が半開きで、止めどない汗が頬をつたっていた。いつもより老けてみえた・・・。
けど、やはりヒデさんと同じペースで一般人が登山するというのは、やはり普通に無理があるという事を再認識する。


季節は5月の下旬、それほどの暑さもなく、40分なんとか上まで辿り着いた僕ら。
次もあるという事で早々と下山開始。
途中、登る時には気付かなかった自動販売機を発見。値段を見て、唖然とした。なんと、缶ジュースが230円となっているではないか!
確かに、ここまでジュースを運ぶのには相当の労力が要るはずなのだけど・・・それにしても高い。一体どうやって運んでいるのかも気になる所だ。
「ここ、日本で一番物価高いとこかもね(笑)」
というヒデさんの発言も、半ば冗談でもないような気がした。

放心状態で太ももをさすっている助手席のチーフマネージャーさんのことが少し気になったが、あれだけの旅ダッシュを繰り返しながら(少し大袈裟・・・)、肉離れを起こす事もスジを痛める事もなく、無傷で下山した僕ら。
車のエアコンをガンガンに利かせ、下山してから買った通常価格のジュースで渇いた喉を潤す。
 
認めたくはないがこういう非日常的な事をした後は尋常じゃなく、気持ちが良い。
その原因は、一体何なんだろう。登山や寺社仏閣巡りなんてこれまで1度も興味を持った事なんてなかったのだけど、東京の日常を離れて自然の空気を吸って土の上を歩いたり、雑音のない“凛”とした雰囲気漂う場所に触れると、心がリフレッシュされるような、そんな気持ちになれたりする。
次また登山があったとしても、もう嫌、とは思わない・・・かもしれない。
 

京都日記中編3へつづく

■Staff Profile
日本全国47都道府県の旅で、現場マネージャー兼、カメラマン兼、ドライバーを担当。
10代でサッカーをするために単身ブラジルへ渡った経歴の持ち主で、
ポルトガル語・英語・フランス語を話す。