2000.06.06

vs FRANCE

久しぶりに、はっきりと格上だと思われるチームとの対戦。

こう言ってはなんだが、中国戦や韓国戦よりもやっぱり力は入る。

それは、別に中国戦や韓国戦を手抜きでやっている、というわけではない。

昔からそうなんだが、’96アトランタオリンピックのブラジル戦、’98フランスWCのアルゼンチン戦、同大会のクロアチア戦の様な試合は、普段の試合より集中力が増す。

このフランスとの対戦も同様。

ある種の不安もありながら、しかし妙な期待感&やる気の方が大きい。

はっきり言って楽しい。

 

やはり当たり前のことだが、試合前からフランスの圧倒的優位がささやかれる。

でも俺は、サッカーこそやってみなければ分からないスポーツだ!! というのを知っている。

もちろん、実績からしてみても、そして個々の選手の能力から言っても、フランスの方が確実に強いだろう。

 

でも……

 

試合開始。当然の事ながらフランスは、前線からプレッシャーを掛けてくる。

 

トルシエは言った。

日本とフランスの実力の差はそれほどない…

そしてこうも言った、差は「自信」があるかないかだと…

もちろん俺だって日本の選手とフランスの選手に差がないとは言わない。でも、この“自信”というモノの存在は大きいと思う。

 

前半の最初はこれが顕著に現れる形となった。相手のプレッシャーに押されて、パスが繋げないどころか、クリアーもままならなかった。

しかし、実はこのときのフランスのプレッシングというモノは、結構いい加減だった。

日本を甘く見ていたのかもしれない。“ボールを取りに行くふり”というのが多かったように思えた。というのも、1つ目しかプレッシングをしなかったからだ。普通だったら2つ、3つ続いていくモノなのだが…

 

ヘディングシュート!! 西沢が良いセンターリングをあげ、それに俺が飛び込んだ。が、しかし…

これは俺の完全なるミス。というか、あと1歩飛びこまなければならないところを躊躇してしまった。キーパーとディフェンスを頭に入れてしまったからだ。もう1歩、いや2歩早く飛び込んでいたら…

まあ「たら」「れば」はないのがサッカーだね。次こそは…

 

これがきっかけになったのか、日本が攻撃のリズムをつかみ始める。

こうして、稲本から、森島へのスルーパス。1度は阻まれたモノのしっかりと頭で詰めて、森島らしいゴール!! 良い流れのまま前半が終わった。1-0。

 

後半。予想通り選手を入れ替えてきた。

日本に得点を取られたのが効いたのか、パス回しの速度を上げてくるフランス。

日本は、このフランスのようなパス回しを覚えた方が良いと思う。相手との競り合いを極力少なくして、しかもロングパスも少ない。

ワンツーが基本となって、最後はサイドから崩す。非常に効率が良く、良い攻撃だと思った。

ジダンが日本の一瞬の油断を付いてゴール。ジダンのプレーというのは、「SIMPLE IS THE BEST」を体現したような感じがする。

ボールを受けた後は、出来るだけシンプルにパスを出す。相手との接触も少ない。当然、ボールを奪われる機会も少ない。たとえ相手がいても、キープの仕方が非常に上手い。彼のようなプレーを覚えたいと思う。

今までの日本ならば、追いつかれた時点で気落ちしてしまうことが多かった。しかし、この日は違った。トルシエの交代も当たった。

交代で入った三浦(あ)が切り返してからファー(遠い)サイドへのセンターリング。それへ西沢が完璧なボレーをあわせた。

フランスは、プレッシングをするとき、片方による癖があるのか、反対サイドが非常に空く。特に日本の左サイド。後半は特にこれが目立ち、日本は上手くそこへボールを運ぶことが出来たのが良かった。

しかし、これで終わる’98 WC王者フランスではない。

日本は反対に右サイドを崩されることが多かった。

フランスサイドの交代で、入ってきた選手が、日本の右サイドに来ることが多かったからかもしれないが、左サイドよりも右サイドの方が圧倒的に崩された。またもや、ちょっとのミスから決められてしまった。

この辺をきちんと突いてくるあたりはさすが!!

このあと、フランスはどんどん攻撃重視になり攻めてくるが、日本も集中してしのぎ、逆にシュートまで何度となく持っていった。が、試合終了。2-2。

 

このあとは知っていると思うが大会規定によりPK戦になり、結局日本は、4-2で負けてしまった。

 

この試合、俺はシンプルなサッカーを心がけた。

これまでの中国戦や韓国戦を見ても分かるとおり、今までの日本サッカーは、攻撃の時に効果的なパス回しがなかなか出来ていなかった。どうしても局面局面の形になってしまい、チーム全体としてのパスワークというのがあまりなかった。

今回、チームを出来るだけコンパクトにまとめる意味でも、全体としての早いパス回しがどうしても必要だった。今までは、俺がボールを持ったときにまわりの選手が遠くに行ってしまう傾向があった。だから俺自身がドリブルをしなければならない局面が多かった。

ドリブルを選択するのは俺であり、本来であれば選択肢には、パスがなければならない。

しかし、それがないことが多かった。

そして、フランスという相手に自分たちがきちんとパスが回せるんだ、ということを選手みんなに確認させたかった。

もちろん、味方との連携不足もあった。俺のパスミスもあった。

しかし、全体的にはシンプルなサッカーを心がけた、その効果はあったのではないかと思う。

よく見てもらえると、俺のドリブルも今までよりも極端に少ないことが分かると思う。

まあ、もうちょっとしても良かったけどね…

これで、俺の中でも新しい世界がちょっと見えた気がした。もうちょっと上手くその使い分けをしなければならないが…

 

チームとしては、この試合で確実に収穫があったと思う。

中には、フランスの調子が… って言う奴もいるだろう。

しかし、サッカーとはこういうモノである。いくら調子が悪いと言っても、たとえ相手が手を抜いていたとしても、結果は結果である。

もちろん勝ったわけではない。しかし…

 

次は、ジャマイカ。この試合でフランス戦で得た収穫を自分のモノにするかどうか、これが今回の最大の戦いであると思う。

これで、結果と共に確かな“自信”というモノを得たとき、日本はさらに強くなると思う!!

 

ということで、また明日(今日か?)!!

 

<おまけ>

 

今回、ここRABATの練習場には控え室というモノがなかった。

そうなると、練習後の着替えは当然“外”ということになる。選手は、もちろんタオルを巻いているとはいえ裸にもなるのだが、それを当然のように撮影している(と思われる)カメラマン達。そしてファンの人々。いったい何を考えているんだろう?

練習中ならばまだしも、着替えを撮るなんて変態行為としか俺には映らないのだが… どうお考えになります?

 

<おまけ2>

 

昨日の試合で、PK戦があったでしょう?

あのメンバー、どうやって決まったと思う?

トルシエが決めたのでも誰が決めたのでもなく、みんな自分からだったんだよ!!

最初トルシエが訊いた時は、誰も手を挙げなかったから、俺があげたんだ。

だから1番だったのだ!!

その後、だんだん手が上がるようになって、5人が決定。でも、松(松田)の緊張ったらなかったよ(笑)。

残念ながら4人目で終わってしまったけど、なんかホッとしていたもん!!

ということで、松田君に苦情を(笑)!! じゃ!!